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統合失調症の妄想型の方に小1時間罵倒される
先日、今まで経験したことがないぐらい激烈に、精神障がいの利用者さまから罵倒されました。
何だか帰り道を原付で走りながら、人間ってこんなに嫌いだったっけ、と、情けなくもメンタル傷つき、晩ごはんもあまり喉を通りませんでした。
利用者さんは精神障がいをお持ちで、病名としては統合失調症となります。統合失調症の方の在宅支援は、これまでに十数名ほど関わらせていただきました。今でも数名の方の支援を継続中です。
統合失調症は100人に1人ぐらいが発症する病気で、それほど珍しい疾患ではありません。10代から40代ぐらいに発症する方が多いそうです。
うつ病と似ている部分もありますが、うつ病はセロトニンの異常、統合失調症はドーパミンの異常となり、異なる薬が用いられるそうです。併発する方もいて、素人の方が判断するのは難しいかと思います。
精神疾患について↓
精神科で働く医師や施設の職員はどんなメンタルをしてるんだろうと思います。。
きっととんでもなく知識を身につけていて、それを多数の人間で共有しているからこそ強いのかと。
患者さんの症状や、訴えを分析し、医学的な知識や経験と照らし合わせて、適切な判断を下し、情報を共有して、日々取り組んでおられるのでしょう。
頭が下がります。
利用者さんのフェイスシートには統合失調症という診断名だけがあり、妄想型とは書いていなかったのですが、症状からみてそれに該当するのだと思います。
訪問介護は1対1なのでツライところです。
私の育ちや幼少時代の悪口(私は何も言っていないのですが)、個人的なことをあれこれと罵倒されまくり、圧倒されました。とても驚いていたのですが、色々と調べていると、それが利用者さんの病気で、そういった症状なのだと。
(かと言って、とても耐えられるものではなかったですが…)
ひと言で言えば、彼はとても自身をレベルの高い人間と思っているようでした。被害妄想が強く、権力が自分を騙した経験があると。お前も世間の大抵の人間と同じくレベルが低く、そのくせおれ(ご本人)をレベルの低い人間のように扱ってんだよ、と。
スイッチが入った利用者さん。何を言っても無理でした。黙り込んでも無理。逃げようと思っても無理。
きっと誰もがなり得るんでしょう。ただそのドーパミン?などの脳内の物質の異常や、環境の影響などで、過度に悪化してしまった状態、手がつけられないような状態になって、日常生活を送るのに支障をきたすのです。
私たち介護士はプロの介護職である以上、一度受け入れた仕事を、嫌だからバイバイさよならーってするわけにはいきません。彼らを見捨てることになりますので。最後の砦みたいなもんですので。
もちろん私1人で抱え込んでは私が病んでしまうので、各方面の協力を仰ぎながら対応していかなければいけませんが。
利用者さんもお辛いのはよくわかります。いえ、彼自身には自覚がないのかもしれません。だって彼は私とは別次元にいる優秀な人物なので。私のような低レベルの介護士が担当になりさぞかしガッカリしているのでしょう。
小1時間も罵倒されていながら、どこか冷静な自分がいて、本当にこの人の言っていることが正しく、私は上っ面だけのレベルの低い人間のような気もしました。
最近の戦争のニュースのことを思い出してしまいます。どっちが正義?どっちの主張が正しい?って、同じ国にいても意見が違って争い、罵り合います。客観的に見ている側も、絶対にこっが正しいと言ってみたり、どちら側にも言い分はある、といってみたり。
人間同士の隔たりについて、ああ果てしないなぁと思いました。
(はぁ………)
確かにその時、彼のドーパミン量は異常なことになってるのだろうけれども、この方の見方からすれば、それなりに正しく世界を描写しているのかもしません。
ただ、私はやっぱり社会の正常な側の人間として「よし、じゃあ一緒に世間を罵倒していこうぜ」とはなりません。
平和が一番と思う私はとりあえず早くお家に帰ってゆっくりお酒でも飲んで、子どもの相手をして笑ったり、お笑い番組でも観て笑っていたいのです。
こんな私を彼は許さないでしょう。
今後も彼の支援は続くのでしょうか。
罵倒は収まるのでしょうか。
泣きそうです。
向こうも泣いているのかも。