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スーパーコンピューターの活かし方:異次元の少子化対策

「2位じゃダメなんですか?」のセリフを覚えていらっしゃる方もいるかも知れない。1,200億円の国家予算が投じられたスーパーコンピューター「京(けい)」の開発は、2009年11月の民主党政権での「事業仕分け」、自民党政権時代の「予算のムダ」を洗い出す会議でやり玉に挙がり、世界1位を目指すという計画は事実上凍結された。

あれから14年、紆余曲折がありながらも、京の後継機として理研と富士通が開発した「富岳(ふがく)」は、2020年計算速度世界1位を獲得し、新型コロナウイルスの 飛沫飛散シミュレーションにも応用。その映像は、各局のニュースでも度々流され、目にされた方も多いだろう。

そこで今回私が提案したいのは、このスーパーコンピューター「富岳」を活用し、日本の超高齢化、少子化に対し、女性一人当たり、いったい何人子供を産めば「少子化が改善」、つまり日本の人口が増加に転じるのか?を計算することだ。

2023年最新の日本の「50歳時の未婚率(以前は生涯未婚率と呼ばれていた。「45~49歳」と「50~54歳」未婚率の平均値から、「50歳時」の未婚率、つまり結婚したことがない人の割合)」は、男性が28.25%、女性が17.85%。

また、年少者や高齢者など出生に直接影響しない人たちが含まれないことで、「出生率」より正確な指標であるとされる「合計特殊出生率(その年における15~49歳の女性の各年齢別出生率を合計したもの)」は、「令和4年(2022) 人口動態統計月報年計(概数)の概況」によると、1.26。

“日本の出生率・合計特殊出生率が低い”とはよく言われるが、世界と比べるとどのくらい低いのか。世界銀行が発表しているデータによれば、2020年の合計特殊出生率世界ランキングでは、日本は212位中194位。世界と比較しても、日本の合計特殊出生率が極めて低いことがわかる。

そこで、日本の少子化を考えたとき、2人の親から2人の子供が産まれても、当然人口が増えることはない。最低でも2人の親から3人が産まれなければ、増加に転じることはない。ましてや前述の未婚率、合計特殊出生率等を加味すると、日本に存在する女性のすべてが子供を産むでもしない限り、3人でも難しいかもしれない。

もしや、4人?5人??

いったい何人産めば「異次元の少子化対策」は成功となるのか?

子供手当の増額や、こども家庭庁などを作ったとしても、具体的に何人産めばいいのかも分からず、ただ闇雲に異次元の少子化対策と言われても、果たしてその政策は本当に少子化に歯止めが立つのか、私は信用ができない。少子化を止めるためには、何人産めばいいのか?本当に可能な人数なのかを計算してほしい。もし現実からかけ離れた人数だとしたら、1日でも早く、移民政策やPACSなどの、他の対策や法の整備を検討、進めてほしい。

あと10年、20年は誤魔化せるかも知れないが、今年産まれた子供たちは、77年後には22世紀を迎えることになる。30年、50年後にはご存命か分からないような方たちが、これからを生きる子供たちの未来、世界を想像し、責任を持って法を整備したりできるのか?変化を作り、受け入れることができるのか?

どうか世界に誇る、世界一のスーパーコンピューター「富岳」を使って、飛沫飛散シミュレーションをするだけでなく、いったい何人子供を産み、育てればいいのか?日本人として、日本に生きるものとして、はっきりと提示してほしい。

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