電気ケトルと私の関係
朝、起きたらお湯をわかす。
春夏秋冬、365日変わらない私の朝。
昔、友人が泊まりに来てくれたとき、先に目が覚めてお湯をわかしていたら
「シューーーーって音がする!!」
と驚かれ、初めて「朝にお湯をわかさない人もいる」と知った。
そんなわけで、私にとって電気ケトルは欠かせない家電だ。
そして、私は自他ともに認める引越野郎。
18歳から一人暮らしをはじめてから16年が経つが、
これまでの引っ越し回数はなんと10回。
ええ、自分でも引いてます。
電気ケトルと引越に何の関係があるのかと思うだろう。
エコ界隈から狙撃されそうなのでこっそり告白すると、
実は引越の度に処分していた。
電気ケトルは処分も再購入も手間がかからない。
燃えないゴミの日に家の前に出すだけ。そして数千円ですぐ買える。
毎日使っているから元は取れているだろうし、引越はいい買い替えのタイミングだ。
そう思っていた。
でも先日の10回目の引っ越しでやっと気付いた。
「わざわざ引越先に運ぶほど気に入っていない」。
だから毎回処分していたのだ。
私が買っていたのは、電気ケトルと聞いたら誰もが想像するようなもの。
色は白で、すぐお湯がわいて、だばだば注げる。
だけど私は白湯も、日本茶も、紅茶も飲む。
だから本当は温度調節の機能がほしかった。
そして注ぎ口が細いもの。
さらに言えば、マットな質感でインテリアにもなじむデザインが良い。
ずっとそう思っていたはずなのに、誰に命令されたわけでもないのに、毎回フツーのケトルを買い、そして処分していた。
心機一転、今回は人生で初めて数店舗をはしごし、店員さんにも話を聞いて選んだ。
お値段は約6,000円。
これまでに比べたら高いが、おそろしく高いわけでもない。
今まで買い替えた数を考えれば、むしろすごく安い。
すぐ手に入れてすぐオサラバするような、人間同士だったら最悪なやり口はもう卒業した。
インスタントラブから、トゥルーラブへ昇華した、電気ケトルと私の関係。
この調子でパートナーも・・・みつかんねーかなーーーー。