仕事は「嫌なことを避ける」だけじゃ続けられなかった
将来の夢がないまま、大学4年生になってしまった。
「やりたいこと」がなかったので、就活のときは「イヤなこと」しか考えていなかった。
・満員電車はいやだ。
・残業いっぱいはいやだ。
・休みがないのはいやだ。
その結果、地方の小さな会社に就職した。
社会人経験ゼロだったので、Excelの使い方や名刺の渡し方など、本当にイチから教えていただいたのでとても感謝しているのだが、
「私ってこんな感じで生きていくために大学行って留学したのかなァ・・・」
と思う日々だった。
今思えば、地元出身ののんびりした人が多かったので、
やりたいことを模索していた私は刺激を求めていたのだと思う。
忘れもしない社会人2年目、長期休みにシンガポールに出かけた。
駐在していた友人がいたので、現地で会う約束をした。
ある夜、友人がよく行くというバーに連れて行ってくれ、そこで友人の同僚(インドネシア人)と合流し、3人で飲むことになった。
インドネシア人「君はなぜ今の会社に行ったんだい?」
私「満員電車がいやで、残業がいやで・・・でも、退屈なんだ」
インドネシア人「ほーん。それで、君はどんなことがやりたいの?」
私「分からないけど、英語が好きだからもっと活かしたいし、海外出張とかもしてみたい、かなぁ・・・」
あれこれ考えていたはずなのに、いざ口に出すと引くほど具体性がない。
こんなの駄々をこねているだけだ。話していて恥ずかしくなった。
インドネシア人「そうなんだ。つまり君は、いやなことは避けられたけど、やりたいことは実現できてないって状況なんだね!」
私の脳が、薄暗いバーの中でパァァァァァァっと光を放った(気がした)。
自分でもわけがわからないモヤモヤを、
ものの1分くらいで言語化してくれた!!
インドネシア人「これからは、やりたいことができるといいね!」
なんて良い人なの!
お酒入ってたし、見た目はタイプじゃなかったし(失礼)、名前も覚えてないけど(超失礼)!!
今でもすっごく感謝してるよーー!!
彼の言う通り、満員電車は乗らなくて済んだし、休日もあった。
嫌なことは、ちゃんと避けることができていた。
だけど悲しいかな、人間はそれだけでは満ち足りない。
特に、私のような何かやりたい!なタイプは。
この状況を脱するには、もっとちゃんと考えなきゃヤバイ。
・・・何をすればいいかはわかんないけど!!
インドネシア人にやる気スイッチを押してもらい、しかしやる気の矛先はまったく見えないまま、帰国した。