早起きの理由。希望の時間。
最近は朝4時頃起きるようにしている。
電気ポットのコンセントを入れてから、洗面所に行き顔を洗う。
シンクの水切りラックにある食器を、食器棚にしまう。
ガチャガチャ音を立てて、妻が起きないよう気を付けながら。
急須に茶葉を入れる頃には湯が沸く。
お茶を入れ、三階の自室に入る。
窓を開けてぼーっと外を見る。
まだお茶は飲まない。
気づくと朝焼けが消えている。
今日も夜が明けた。
背中がじっとりと汗ばんでくるが、エアコンは点けない。
涼しい外の空気をわずかに感じたところで、
ぬるくなったお茶を啜る。
頭の中が落ち着くと、やりたいことが浮かんでくる。
田んぼに水が溜まっていくように、少しずつ、脳に活力が湧いてくる。
嫌な仕事がある日でも、まあなんとかなるかと思えてくる。
今日は同僚とくだらない話ができたらいいな。
上手くいけば少しでも早く仕事を終えられるかも。
面倒くさいあの人は、まあ適当にあしらおう。
週末には何ができるかなあ。
本屋に行く時間はあるかなあ。
聴き逃したラジオはいつ聴こう。
またいつかキャンプにいけるかなあ。
ん? こういうことはメモしておこうか・・
未来が視えるような感覚。
なんでもできるという予感。
不思議な全能感。
一日のうち、思い通りになる時間はほとんどない。
最近やっと気づいた。
ノートに書きだしてみると、通勤時間も含めて14時間ほどは仕事に拘束されていた。
仕事はもちろん、自分のペースではできない。
立場もあり、常に自分のことは後回し。
学校は、いつ、何が起こるかわからない。
予定通りは存在しない。
一人で息をつける時間もない。
ただ、流れに身を任せて、身を粉にするしかない、
どうにもならない14時間。
帰宅してからは、家族の時間。家庭の時間。
妻も大体同じ時間を職場で拘束されている。
今日は、どちらが何の家事をやるのか、
やっとお互い、というか僕が自然にできるようになってきた。
楽しみは夕食と晩酌。
やることを済ませ、妻より早くベッドに入る。
次の日も早く起きる。
自分のために流れる時間の中で希望を感じるため。