18.元旦那の死
母が亡くなる少し前に、元旦那が亡くなったことが判明した。ある日携帯会社の督促状が、代行している法律事務所から娘あてに送られてきた。携帯料金の未払があるので、法定相続人の子が払ってくださいというもの。
そこに本人死亡のためにと書いてあったはずだが、彼が亡くなったことよりも、娘に負債が降り掛かってきたことに衝撃と怒りを覚えた。もちろん未成年の娘の法定代理人は母である私で、私に払う責任が発生する。多分彼は40代後半、一般的よりはかなり若い死。何があったかは結局知ることはなかったし、1ミリも悲しくはなかった。そして少しほっともしていた。今後彼のことで娘に迷惑をかけることは無くなったんだと。生活保護レベルになって頼られてきたりしたら、たまったもんではない。
結局は相続放棄の手続きを取って債務は免れた。そこに至るまでは弁護士無料相談、ドコモ、司法書士と渡り歩いた。司法書士への支払も10万近くになり、ヘトヘトになった。その時の弁護士さんに、「あなたはしっかりしているから、大丈夫!」とお褒めの言葉をいただいた。
事の顛末を母に話して、お疲れ様と言われたことはよく覚えている。そして母が亡くなったのはその数カ月後だった。