これから「手軽に」色の知識を身につけたいと思う人に

令和5年7月10日に、カラーコーディネーターアドバンスクラス試験を受験し、合格しました。
これで、色彩検定1~3級とUC(ユニバーサルカラー)級、カラーコーディネーターアドバンスクラスを合格したので、色の知識はほぼ身についたと思っています。まぁ、これはワナなんですが・・・これについては後でお話しします。
※この先のお話は、あくまで個人的な見解ですのでご承知おきください

カラーコーディネーターの合格証。デジタルで配信
色彩検定の合格証は郵送で。
台紙とカードが付いてきて豪華

「色の知識を身につけたい!しかも手軽に・・・」と本格的に思ったのは、4年過ごしたシティプロモーション課から収納課に異動したタイミングでした。
シティプロモーション課時代は、イベントや動画撮影のエキストラ募集など、チラシを作る機会が多かったので、色の知識の重要さは感じていたのですが、なにをどうすればいいのか分からなかったので、忙しさを理由に何となくそのままにしていました。

初めてイベント担当した時のチラシは今でも心のバイブル。
リデザインしたいけど、当時とあまり差が無かったらショックだからと手つかず

しかし、プロモーション課を離れてみると、せっかく踏み込んだデザインの世界から遠ざかることが急速に不安になってきます。
収納課でもチラシづくりや情報発信の機会はあるけれど、圧倒的に減ります。
なんだかんだ言ってデザインの世界にあこがれというか、かっこいいチラシやポスターを、サクっとこなすクリエイターに憧れがあったので、自分もああなりたいとデザインの勉強を思い立つわけです。。。
そしてデザイン学校の門を叩いたのは前回までのお話し。
https://note.com/vast_gnu3/n/na2ecdd53295c

ここから本題ですが、限られた時間で効率的に色の知識を身につけたい!って方は、色彩検定2級の受験をおススメします。あと公務員ならUC級は必須。
実際に、実務で使用している知識は、色彩検定2-3級の知識で通じます。

ビジュアルが多く、とりあえずは読もうという気にさせてくれる。
3級の内容例。色彩検定協会のHPで掲載されていますが、とにかくビジュアルが豊富でわかりやすい。

3級の知識は基礎中の基礎なので必須ですが、受験は必須じゃないです。
僕は最初、3級のみを受けるつもりでしたが、3級は本当に初心者向けで、ネットの世界では知識ゼロでも1週間で合格した!と豪語する人がいるほど。真偽のほどは定かじゃないけど、あながち間違ってもいないのかな?と。
だったら、3級はざっと読む程度にしておいて、2級に集中した方がいいのでは?と僕は思ったわけです。この時試験約1か月半前。
まぁ結局試験申し込み時に日和って3級も申込みしたわけですが・・・
ちなみに2級と3級では、「慣用色名」を丸暗記する必要があります。

色を見て、色名を答える。
2級64色、3級63色・・・
ダブル受験だと127色覚えなくてはならないのがネック

勉強を進めるうちに、この慣用色がネックになったのと、2級は3級の知識の一部を知っていれば対応できそうと考え、途中から2級に絞って勉強しました。結果的に3級は記念受験みたいなものでした。
2級は、色相環、トーンマップを駆使した問題をかなり勉強しましたが、これが今のデザイン知識に役立っています。

2級の問題例。配色技法は知っておくと便利だけど・・・
色彩検定協会HPより

勉強方法はいたってシンプル。問題集を解きまくるだけ。他の資格勉強法とあまり変わらないと思います。そして2級を勉強していると、自然とその基礎である3級の知識も身につきます。実際、3級試験では慣用色名で苦戦しましたが、危なげなく合格。
ということで、色彩の知識がある程度身につき、自信を得た僕は1級を受けるわけですが・・・

先に述べましたが、1級は実務には必須じゃないです。
あった方が視野は広がるけれど、理論が圧倒的に増えるので勉強が結構つらかったです。
あと、2級3級の慣用色名とその由来、トーン(明度と彩度)を完全に記憶しなきゃいけません。とにかく配色知識や技法をトータルで理解しておかないとならないので、知識量は相当のものとなりますし、最終的には色を見ただけで、「この色は〇〇色で、PCCSトーン記号は〇〇・・・」と言えるようにはなりますが、現実にこんな事言う機会なんて皆無。。。

1級2次。なお、慣用色名の問題は、色名を答える→その色を駆使した配色技法を答える(例えばトライアドにした場合の他の2色を答えさせる)ので、初めの慣用色を間違えると全滅という鬼畜仕様。あと問題文の読解力必須。
色彩検定協会HPより

それよりも公務員ならUC級の知識の方が必須です。
UCとはユニバーサルカラーのこと。すべての人に配慮した配色知識を学ぶものです。

色彩検定協会HPより

とても簡単な内容だし、合格率も高いので、正直1週間くらい勉強すればほぼ合格間違いなしです。

カラーコーディネーター試験について

と、ここまで色彩検定についてお話ししましたが、カラーコーディネーターについても簡単に触れておきます。

受験きっかけは、色について聞かれることが多くなったので、色の知識をアップデートしたいなーと感じたことです。ただ単純にそれだけ。
思い立ったのが令和5年5月末で受験日が7月10日だったのでおよそ1か月ちょっと。
ただ、カラーコーディネーターって驚くほど受験情報が無い・・・
まず、問題集が1冊しかないです。色彩検定は山のようにあるのに・・・
あと過去問(?)集も市販のものは無し。欲しければ実施団体の東京商工会議所に郵送してもらう必要があります。試験1回分しかないけど。

東京商工会議所HPより。練習問題=過去問じゃない?どう見てもボリュームが不足

どうやらカラーコーディネーターは数年前に試験区分が変更になったようで、変更前のカラーコーディネーターの検定試験は、3級(色に関する基礎知識)2級(色のコーディネート)1級(ファッション・商品・環境の色彩知識)だったのが、スタンダードとアドバンスの2クラスに統合されたそうです。
で、僕はアドバンスクラスを受けたわけですが、スタンダードクラスの公式テキストも見てみました(Amazonでアドバンステキストを注文したつもりが間違えてスタンダードを注文。届いた際に発覚・・・ただでさえ高いのに)
カラーコーディネーター試験は色彩検定と比べると理論や歴史に重きを置いている印象。配色技法は色彩検定の方が充実しているなと感じます。
内容も色彩検定と被っているので、特にこだわりなければ受験の必要はないかと思います。

資格のワナ

ここまで、色の知識を得るなら資格を!と言ってきたわけですが、正直言うと、資格=知識であり、=実務じゃありません。どういうことかというと、

色彩検定協会HPより

これ、2級の問題なのですが、実務でこんな配色はないです。
これは友人のデザイナーも言っていましたが、補色や類似色相という考えは重要だし役立つのですが、杓子定規に使って通用するものではないという事です(知識は知識)。
実務経験を積んだ上に配色知識が生きてくる・・・というのが僕の結論で、実際、配色のセオリー通りじゃなくても素敵な配色効果を出している作品は沢山あります。
要は、資格取得はスタート地点ってことですね。
なので僕の勉強はまだまだ続くわけです・・・
最後に実務で役立つ配色本を独断と偏見でお知らせしますね。
ではまた。

事例をレイアウトで解説する本。事例の配色についてめちゃめちゃ参考になります。
色彩の知識を身につけた上で読むのがオススメ!
配色レベル、上がります。
よくある配色本だけど、注目すべきは色の使いどころをプチ解説してくれています


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