一店逸品運動のススメ その5「人通り」
人通りに関する2つのお話を紹介しよう。
まず、人通りは減ったけれど車の往来に気づいて、商店街が活性化できた事例。関西の某中核都市にあるその商店街は、かつては多くの人が往来する商店街であった。しかしながら、多くの人が車で移動するようになって、徐々に人通りが減り、訪れた当時は昼夜を問わず、人影が見られないまちとなってしまっていた。商店主たちは、人通りの減ったことを嘆くばかり。
ところが、よく見れば、国道に面したその商店街は、多くの車が往来していて、朝夕は渋滞が発生するほどだった。きっかけは、洋菓子店の店主のある行動にあった。逸品を告知する手段として、多くのお店では店頭にPOPを掲示していたのだが、その店主は車客にもよくわかるようにと、等身大に拡大したPOPを掲示したのである。
すると、それまではお店の「周辺に住む顧客」しか来店していなかったのが、大きなPOPを掲示してからは、車で通勤している「やや遠くに住む地元客」が来店してくれるようになり、期待以上の売上を上げただけでなく、新規客の開拓もできたのである。歩行者向けの小さなPOPではなく、車客向けの大きなPOPが奏功したわけである。
この事件をきっかけに、その商店街では各店がタペストリーサイズの大きなPOPを掲げるようになり、商店街の活気を取り戻すことができたのである。
人通りに関するもうひとつのお話は次回。
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