最後の万年筆は
結局のところプラチナ万年筆の細字は素晴らしいと感じています。速書きでも問題ないし、滲まないし、思い通りの字が書けます。
もうそれが分かりきっているので、後は見た目や質感で選ぶとすれば、中屋万年筆一択でしょう。能登半島地震の影響により輪島での漆塗りが叶わず、現在は受注停止となっています。職人の一人が東京で製作を続けているそうですが、復旧にはまだ月日がかかるでしょう。
中屋万年筆の、「輪島漆塗り」の伝統の火を絶やすまいという強い志を信じて待ちたいと思います。
【追記】商品が復活しました。
中屋万年筆には形状、塗りの異なる豊富なラインナップが存在します。軸の材質は一部特別なものを除きエボナイトです。エボナイトとは天然ゴムに30%の硫黄を加えて加熱したもので、ebony(黒檀)に似ていることから命名されました。黒色で硬く弾性のないプラスチック状の物質です。エボナイトの軸に漆塗りを施したものが定番品の多くです。
ホームページを眺めながら、欲しい型を考えていこうと思っているので、しばしお付き合いください。主観たっぷりなので参考にはしないでください。
(https://www.nakaya.org)
形状別
比較のため軽く整理していきます。
・ロング
軸が長め
・ポータブル
標準サイズ
・ピッコロ
軸が短く、両端が尖っている
・ネオスタンダード
首軸はロングと同じ長さ
軸全体はポータブルと同じ
所謂ベスト型で流線型とは異なる形状
・デスクペン
軸の長さ最長
・十角(TWとST)
ポータブルと同じ長さ
軸が十角形でストレートとツイストの二種
塗り次第では面と角の色合いの違いあり
【追記】このたび復活を遂げた
所謂ベスト型で流線型
・紬(ポータプルとピッコロ)
網目のような表面成形
・17mm軸(ロングとポータブル)
軸径が17mm つまり太い
・背鰭(ver.1とver.2)
ポータブルサイズの17mm軸に鰭の成形
鰭部分が廻り止めの役割
・両切り
17mm軸で筆記時はロングと同じ長さ
両端が尖っている
・その他
チタン、革巻き
多数の特別品
詳しいサイズ比較
https://www.nakaya.org/manual/default.aspx?item=size_weight
惹かれるのは十角ツイスト。
シンプルながら造形が美しいですね。
試筆した所感としては、ネオスタンダードが手に合いました。首軸が長いためネジ切りに指が当たることなく筆記でき、さらに軸は標準の長さなのでロングより3g軽くなっています。
塗り
黒呂色、朱などを基本にヘアライン、溜め塗り、蒔絵、螺鈿、炭粉仕上げ、透かし塗り、スケルトン、石目乾漆、沈金など
魅力的な塗りは多数ありますが、まさに漆黒の黒呂色がシンプルで良いと感じています。
クリップ・廻り止めの有無
書くのが面倒になりました。
種類はホームページを見てみてください。
ハチ公とか龍、メリーゴーランドとかいろいろあります。
漆塗りの滑らかさを全面で愉しみたいため、クリップは要りません。廻り止めの必要性ですが、十角ツイストなら軸に面が存在するため、それで賄えるかもしれません。
ここまでをまとめると、私の欲しいモデルは
ネオスタンダード 十角ツイスト 黒呂色 細字(十角ツイストの首軸をロングサイズに)
となりますが、今現在そのようなラインナップはありません。復興が進んだ際には是非とも製作していただきたいと心から願ってます。
写真の一切ない記事で申し訳ないです。
ではでは。
最後に最近好きなピアニスト Luca Sestakを載せてしめます。
YouTube musicでもspotifyでも。
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