教え子自慢
私の元担任の先生が武道場にやってきた。
礼儀正しい剣道の生徒はきちんとあいさつできた。
話したいことがあると、 生徒を集めて語っていた。 県外の娘さんのところに行ったとき、 駐車場で一万円札しかないことに気づいた。 後ろは車の行列 どうしたらいいか困っていると、 後ろの車の人が声をかけてくれて、 250円貸してくれた。 お礼を言って両替をして返そうと思ったが、 お礼すら言えなかった。 こんな親切な人がいるという話。 お金は借りたら返すのが当たり前。 でも、お礼すら言えなかった。 それが心残りらしい。
剣道部の生徒で、 歴史好きな生徒を紹介したら、 その生徒を呼び、 講義をさせた。
生徒も喜び、 私の元担任も喜んだ。
私は教え子を自慢し、 元担任は私のことを生徒に自慢していた。
前の学校でも、 わしは担任の担任じゃ。 と言っていた。
何歳になっても担任であることは変わらない。 先生が喜んでくれて、 私の生徒も喜んでくれて、 和やかな時間が過ぎていった。