赤の服ばかり着せられた子どもの末路
私はものごころつくころから、赤の服ばかり着せられていた。
そして、服に無頓着な私は何の抵抗もせず、赤のスエット上下を着ていた。
一見パジャマだ。友達が来ると、とりあえず急いでましな服に着替える。めんどくさいときには隠れる。
高校卒業まで、そんな生活だった。
映画を見に行くときには制服で行っていた。
二十代三十代も服にはこだわりがなかったが、赤の服は全く着なくなっていた。
そして、歳を重ねるにつれ、グレー、ベージュの服へ。よく似たものばかり買っている。
でも、最近、赤を店員さんに勧められた。似合うと言われ、クリスマス前で何となく買ってしまった。
ちょうど幼稚園との交流学習でクリスマス会があった。その時に、恥ずかしかったが、思い切って赤のセーターを着てみた。
日記に、私の赤の服装のことを書いた生徒がたくさんいた。それだけ珍しかったのだろう。
クリスマス前だったので、勢いで着てしまったが、それ以降なんとなく着ていなかった。
今日とても寒い日なので、黒のダウンコートの下に、赤のハイネックセーターを着てみた。
すると、なぜかオシャレが好きそうな男子生徒が、
「今までで1番似合う。1番かわいいと思う。」
と言ってくれた。
もしかすると、私って赤が似合うのか?
これから、また赤の服を着てみようと思った。