4.愛着関係って?
保育士として、日々の保育の中で愛着関係の大切さを強く感じる場面が何度もあります。
ーーー保育園での出来事です。
0歳児クラスの男の子が初めて登園してきた時、大泣きしてお母さんと離れるのを拒んでいました。
お母さんと離れることが不安で、保育室に入るだけで涙を流してしまい、抱っこしてもなかなか泣き止む様子がありません。
そんな彼に、私は毎日同じリズムで接することを心がけていました。
朝は笑顔で「おはよう」と声をかけ、抱っこして「大丈夫だよ」と優しく話しかける。
そして、泣き続けても焦らず、彼が落ち着くまでじっくり付き合いました。
そうして過ごす日々の中で、少しずつ彼の反応が変わっていったんです。
ある朝、いつものように手を差し伸べると、彼が泣かずに自ら私の手を握ってくれました。
その瞬間、心の中で「やった!」とガッツポーズ!
彼が私との間に信頼を感じてくれたと確信した瞬間でした。
愛着関係が少しずつ育まれた結果だと実感でき、私自身も大きな喜びを感じました。
ーーーー愛着関係を築くために
愛着関係を築くためには、一貫性のある対応がとても重要です。
赤ちゃんは周りの大人の反応に敏感で、特に自分が泣いた時や不安な時の大人の対応をよく観察しています。
毎回適切に応じることで「この人は私を守ってくれる」と感じるようになり、安心感を得ます。
私も自宅で娘が泣いた時は、すぐに抱っこしてあやすようにしています。
最初は何をしても泣き止まなかった娘も、次第に私の声や抱っこが安心できるものだと感じるようになり、今では私の声を聞くだけで落ち着くことが増えました。
愛着関係がしっかり築かれると、赤ちゃんは安心して新しいことに挑戦できるようになります。
保育園でも、信頼関係ができた子どもたちは、安心感があるので他の子どもたちとも積極的に遊び、保育士のそばを離れても楽しむようになります。
例えば、泣いてばかりいた子が、しっかりと安心感を得た後は、手先を使ったおもちゃ遊びや、少し離れた場所までハイハイして探検する姿が見られることが増えていきます。
これは、愛着関係がしっかり築かれたことで、赤ちゃんが自信を持って自分の世界を広げていける証なのです!
泣いたら抱っこ、笑ったら一緒に笑う――
このシンプルなやり取りが、赤ちゃんにとってはかけがえのない安心感を生み出し、健やかな成長の土台になります。
日々の小さな積み重ねが、赤ちゃんにとって最良のギフトになると私は思います。