感謝日記 十一がつ四にち 『「遠い空の向こうに」と父子の絆』
おはようございます
昨晩も映画を1本観た
「遠い空の向こうに」というホーマー・ヒッカムというNASAのロケット開発の人の青年の頃の伝記
高校生4人で手製のロケットをどこまでも高く飛ばそうと、宇宙を夢見たお話
1957年の炭坑の町に住む主人公一家
父は炭坑の現場監督という重要な仕事をしていた
危険を伴う炭坑の責任者の父は、いつも緊張して炭鉱夫たちを管理する
採掘量が段々と減ってきている斜陽産業でもあり、人員削減や低賃金で働いてもらうといった辛い決断をしなくてはならない
そういった目でいつも社会を見ている父はとても現実的な人物
そういった考えは彼の息子二人にも投影する
兄は運動神経がよく、フットボールで奨学金を貰い、大学進学できる優等生
しかし弟のホーマーは運動神経は駄目で、何かに熱中するようなものも無かった
父は兄に期待し、弟ホーマーには無関心
次第に父子には確執が生まれる
この時代、母は家庭を守り、父は社会で戦うといった古い図式であった
世の中の厳しさを知る父は自ずと母親とは違う役割を持つのだろう
そこに規範、倫理、精神力といった生き延びることに特化した大切なものを子にも教え込もうとする
しかしそこに過度なコントロールが生まれてしまう
子供を管理、指示してしまうのだ
父親は落盤のために負傷した
ロケットの部品溶接を頼んだ父の部下は機械部から炭鉱堀りに回されてしまい、死んでしまった
ヨーロッパから家族を残して出稼ぎに来ていた男だ
彼の死に責任を感じ、ロケット開発の夢を諦めホーマーは炭鉱夫になった
父は自分の価値観を理解したと思った
現実を見、責任ある行動を取ったホーマーを誇らしく思った
しかし母は違った
兄弟を平等に見ていたのだ
ホーマーの心の底を見た
母には息子が真に何を望んでいるか、優しい息子が何を犠牲にしているかを察知する能力がある
これこそが母性であり「共感力」だ
しかしそれは母親だけではない
父にもそういった本能があるはずだ
父の役割は厳しさを教えることだけではない
家族を「守る」ということの中には子供の欲求を叶え、最大限の才能を伸ばしてやるという役割があるはずだ
映画の最後、これまで立ち会わなかった息子の公開試験に父は訪れる
そして発射台のボタンを父は息子に促され押した
その手製のロケットはどこまでもどこまでも高く飛んでいった
息子がロケットに形を変え、自由に未来に羽ばたいた瞬間だ
父親という大きな役割に少しでも悩んでいる方は、ぜひ本作品を観て貰いたいと思う