アメリカミシガン州KyokofromTokyo#6 夜の森で銃を撃つ!
やるのかやらないのか?!
夜の薄暗いBarnでくつろいでいると、ジョンが物置場の方へ行き、
「Kyoko, Gun 銃を撃ってみるか?」という。
「Gun ?!」急におろおろする私。
「え、やってみたいけど、やったことないし、怖いし、私にできるかな?」
はっきりしない英語でおろおろしていると、
「やるのか、やらないのか、どっちなんだ?!」とイライラしたジョン、
体験とはいえ、危険だから真剣な気持ちでないと、というところだろう。
「や、やります、やります!」
「よし、では、まずターゲットを選びなさい」
Barnの奥の物置場には、いろいろな工具や用具がそろっている。
そこで既に撃たれて血みどろになっている、猪、カエル、エイリアンみたいなたくさんのイラストのボードのターゲットを見せてくれるジョン。
ぐろいなあ、すごいイラストレーション!
私は猪を選び、外に出る。真っ暗な夜の森で外灯に照らされながらGunを撃つのだ。まずはゴーグルをはめて、がっしりした耳当てをする。
危ないから子供たちに家の中へ入るように、リニーが子供達に「部屋で遊んでなさい」と言うと、素直に家の中へ入っていった。
まずはライフル
ジョンはかつて、Gunのインストラクターをしていたそうだ。だから教え方がとても上手。初めにライフルの基本レクチャー。
まず、ライフルを持ったまま体ごと振り返ったりしない。
振り回さない、ロックを外さない、撃つ時以外は指を引金に掛けない。
それにしても我ながら動きがぎこちない。
財布やらスマホやらパスポートが入ったポシェットを庭に出る時も始終身に着けていた私。銃を構えるとポシェットがぶらんと揺れる。
リニーが見かねて
「ポシェット置いておきなさいよ、誰も取らないわよ」
「はい、そうします」
構え方もなんだかしっくりこず、子供用のライフルだというのに重いし、つるんと平たくて長くて、今までそんなもの肩にしょったことないし、感覚が掴めない。
ぐらぐらするところをこらえて、構えてレンズをのぞくとまたぐらつく。うーん。
ジョンが肩を押さえてくれて、ライフルを支えてくれて、何とか打てる態勢に。
レンズを覗くと緑色の十字が映る。ハリウッドの戦争映画でよくある暗闇で銃を撃つシーンを演じてるみたい!♡
レンズをのぞく。集中が分散する。目と、引金にかけた指の両方の感覚を揃えるのがすごく難しい。森の下の土崖に立てかけてあるターゲットに向けて Shot!
何度か撃つが、体がのけぞってしまい、
「森の中に撃ってるよ、Kyoko!」と森の上を指差すリニー
「Oh, my Goodness!」(私)笑
ちょっとだけ下向きに、ターゲットのいのししに当たるように、、
「Kyoko! 当たったよ!」とリニーの声
「ほんと?」やった!
次はピストル
次はピストル登場、すごい、銀色の鉄のかたまりといったところだ。
「やってみるか?」とジョン、「やってみる」
渡されたピストルはずっしりと重い。弾の込め方を教わる。
ジョンが先にやって見せてくれる、まさにドラマの刑事がやってるのと同じだ!♡ ガシャッと音がする。やってみるとこれが硬いのだ、ピストルのボディに全然入らない。全然かっこよくいかない。ドラマみたいに弾を込めてすかさず撃つ、なんてできないぞ。
腕を前に出して構えるのがものすごくキツイ、腕の筋肉が皆無ではないか。狙うにしても、やったことのない体の動き、どう構えていいものやら。引き金を引く。バヒョーンと音が森に響く。
Gunを撃ってるよ、私!
ラストはショットガン(散弾銃)
最初はライフル、単発の銃で、これは弾が一度にたくさん出るライフル。これならターゲットに当たりやすいよ、といいながらジョンが再びレクチャー。
確かに、引金を引けばバラバラと小さな弾が散っていく。でも当てに行くライフルやピストルに比べて、あまり面白くない。
ライフル、ピストル、ショットガンがひと通り終わると、いのししターゲットに弾が当たっているかどうか、リニーとジョンと確認する。
ショットガンの弾がばらばらとたくさん当たっている中、ライフルの単発弾も猪の腹に当たっていた!「当たってるよ、kyoko!」笑「やったー」
喜んでいる姿をリニーが写真を撮ってくれた。
「君はミシガンで Gun を Shot した最初の日本人だ!Kyoko!」とジョン。
ミシガン州は大袈裟かもしれないけど、でも、
ミシガン州ハリソンの町では、本当に銃を撃った最初の日本人かもしれないぞ!
子供のライフル
私が使わせてもらったのは、子供達のライフルだった。
ということは、子供たちがそれぞれライフルを持っているということで、翌日の夜は、子供たちがターゲットに向かってライフルを撃っていた。もちろん、リニーとジョンの指導のもとではあるけれど、ここでは、まるで日本の家の庭で夜、野球の素振りの練習をしている姿と同じように見えた。
これをどう思うかは、人それぞれだと思うが、私は、触ったこともほとんど見たこともなかったし、実際に手にするとなると危険なもの、コワイ、というビクビク感から始まったが、体験した後は、どういうものかを知ることって大切なことなのかなと思ったりもした。日本ではまず銃は必要としない文化に住んでいるから、あえて知る必要もないと思う人も多いだろうし、まして子供が銃なんてと目を潜める人も多いかもしれない。でもそれも、お国や文化や住環境が違えば、価値観は異なるのである。
時差のわりに、昼間眠くなることはあまりなく、ジョンが時差を気遣ってか「昼寝するかい?」と言ってくれたが、あまり眠くなかった。でもいろいろなアクティビティの後はベッドにバタンキューで、うとうとしてしまう。
「シャワー浴びるのか?Kyoko?!」とジョンの声がする。「I will! 」と飛び起きる。風呂でなくても夜はシャワーを浴びたい。ジョンとリニーはシャワーは朝浴びるので夜シャワーを使うのは私だけなのだ。ここでは寝る前には発電機を止める作業をしなくてはならないから、早めにシャワーを終えておかなくてはならない。