楽しく学べるパエリアワークショップに参加しました
皆様
ご無沙汰しております。だいぶ間が開いてしまい、気がつけば年末です。大掃除やら年賀状やら、あわただしい季節ですが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。
今回もエフェの話です。
先日、エフェライフコミュニティーのメンバーで中村龍太さんのパエリアワークショップに参加してきました。龍太さんは、サイボウズの執行役員をやりながら「複業」をしており、その複業の一つがこのパエリアワークショップです。
パエリアワークショップ、これは『エフェクチュエーション:優れた起業家が実践する「5つの原則」』(通称、黄色本)の後半でも紹介されています。
話は変わりますが、この黄色本、2024年、日本マーケティング本 大賞2024大賞を受賞しております。吉田先生、龍太さん、おめでとうございます!
https://www.j-mac.or.jp/bookaward/
黄色本で、このパエリアワークショップは、「パエリアづくりで学ぶティール型組織」と紹介されています。初めてこの言葉を目にしたとき、自分はこの言葉に惹かれました。というか、直感的に、なんか楽しそう! と思ったのです。
毛色の違う話になってしまいますが、ティール型組織とは、経営者や上司がマネジメントをしなくても、組織の目的実現のために社員一人ひとりが主体的に動き、推進できている組織のことです。
パエリアとティール型組織。全く違う意味のこの言葉どうつながるのか、もう興味津々でした。
そして、もう一つ。実は自分の家族は全員、パエリア好きなのです。家族で参加して美味しいパエリアを作り、しかもティール型組織まで体験できるとなれば、もはや申し込まない理由はありません。
すぐにネットで、「中村龍太 パエリアワークショップ」と検索をすると、パエリアワークショップに参加された方の開催報告が幾つか見つかりました。
おおっ! と思いながら片っ端から読んだのですが、どこに連絡をすれば申し込みができるのか分からない……。自分のネット検索能力ではここまでが限界で、残念ながらそこで一度あきらめてしまいました。
それが、2023年10月のことです。そして時は流れ、2024年8月。エフェライフコミュニティーの主催者、谷口さんが講師として中村龍太さんを呼んでくれたのです。
まさに千載一遇のチャンス。このチャンスを逃すわけにはいかない、と思い、このオンラインイベントで龍太さんにパエリアワークショップをおねだりしました。
おかげさまで龍太さんにワークショップ開催を快諾していただき、12/15に千葉県印西市の印西グリーンベースでワークショップを開催しました。
実際に参加するとわかるのですが、このワークショップは申し込みをした瞬間から始まります。
日程調整をして、参加者を募集して……、というのは当たり前ですが、参加者、日程が決まった後、龍太さんから必要な食材等々のリストが送られてきます。
そうなんです。薪やら食材やら、ワークショップで使うものはほとんどすべて自分たちで分担して調達するのです。今回は、率先してSさんがリストをシェアしてくれたので、銘々、自分が用意するものを選んでリストに記入。遠方から参加される方は事前に送り、当日持参できる人は持ってくる。パエリア鍋や鍋をかき回すのに使うパエリアスプーンなどは龍太さんが準備してくれます。
当日、集合すると、龍太さんからレシピを渡され、注意点を教えてもらった後は、基本的に自分たちで全てを決めます。今回は参加人数が総勢、12人だったので、2チームに分けてやることになりました。もちろんチーム分けも自分たちで決めます。
チームに分かれた後は、食材を切り、かまどをつくり、薪を組んで、パエリア鍋をセット。
が、ここでどのように薪を組めばいいのか分からないことに気がつきました。とりあえず、なんとなく火担当になっていた三人でネットで薪の組み方を調べて、良さそうな組み方を選んでスタートしました。
火をつけたら、大量のオリーブオイルを鍋に入れます。今回は、海鮮ではなく肉のパエリアなので、レバー、手羽元、ウサギ肉などをいれ、焼き色がつくまで炒めます。ここで肉のダシをオリーブオイルにしっかり出しておくと、パエリアが美味しくなります。
肉がいい感じに焼けてきたら、トマトピューレを入れ、お水を入れてぐつぐつと煮ます。ここで豆を投入。さらに塩をふって、お米を投入。ここから約20分ほどぐつぐつと煮こみ、上手におこげができたら完成です。
みんなでつくったパエリアはとってもおいしかったです。二つの鍋で、材料は同じでしたが、火加減やお米などを入れるタイミングで全く違った味になったのも面白かったです。
終わってみると、全体を通して大きなトラブルもなく、非常にスムーズに進みました。むしろあっさり終わった感じがあったくらいです。
なぜか、と考えてみて気がついたのは、今回、参加したメンバーがみんな主体的に動いていた、ということでした。誰に何を言われるわけでもなく、自分がやることを自分たちで決めて、行動する。
龍太さんによると、
“料理教室を開催すると、パエリアを焚いて食べ終わったときには、1つの鍋を完成させた人々がチームになっているのです。会社組織のように、あらかじめ用意してあった役割を担うチームではなく、誰に指示されずとも自然と役割が定まっていき、それなりの美味しいパエリアができる”
そうです。まさにこれが目の前で起こっていました。
(『エフェクチュエーション 優れた起業家が実践する「5つの原則」』から引用)
今回の参加者は、エフェライフコミュニティーのメンバーなので、ワークショップ以前から、お互いのことをよく知っていた、というのもあったでしょう。参加者全員が全体を理解し、自分のやるべきことをやり、困っている人がいればヘルプに入る。といったことが、自然にできていたからこそ、スムーズに進んだのは間違いありません。
今回のパエリアワークショップはとても楽しかったです。パエリアをつくるのも楽しかったですが、パエリアを作り、食べながら、オンラインでしか会っていなかった方々とリアルで話せた、というのが本当に楽しかったです。楽しい時間を共有できたからこそ、パエリアを作る過程も楽しかったし、つくったパエリアも美味しかったのでしょう。
個人的にとてもよかったのは、ニンジンと柿のサラダです。龍太さんが育てたリコピンが多い真っ赤なニンジン「京くれない」と、参加者が持ってきてくれた柿をスライスして作ったニンジンと柿のサラダが、とても美味しかったです。パエリアをつくりながら、このサラダをつくってくれたAさんに感謝です。こういったことが臨機応変にささっと出来るには、深い心遣いと豊かな経験が必要だなぁ、と感じました。
エフェのプロセスを回す上で、「楽しむ」といのうは非常に重要なポイントです。というのも、エフェライフコミュニティーで登壇されるエフェクチュエーター(エフェクチュエーションの熟達者)はすべからく、楽しそうなのです。間違いなく、心から人生を楽しんでいます。
とにかく楽しく学ぶ。自分は、この姿勢はこれからの時代に大切にすべきスキルだと考えています。
井上ひさし先生の言葉で大好きな言葉があります。
むずかしいことをやさしく、
やさしいことをふかく、
ふかいことをおもしろく、
おもしろいことをまじめに、
まじめなことをゆかいに、
そして、ゆかいなことはあくまでゆかいに
おそらく井上ひさし先生は「創作」という文脈でこの言葉を書かれたのだと思いますが、これは「生き方」という観点からも言えることだと思っています。
むずかしいことはやさしくかみ砕かないと、分かってもらえません。
ただやさしくするだけでなく、深くしないと伝える意味がありません。
ふかいことはそのままでは共感してもらえないので、おもしろくしないと伝わりません。
おもしろいことは、大真面目に伝えないとつまらなくなってしまいます。
まじめなことは、ゆかいにしないと長く続けることはできません。
そして、ゆかいなことをどこまでもゆかいにしているからこそ、自分の「手中の鳥」となり、「クレイジーキルト」が生まれるんじゃないかと思います。
ただ楽しいだけでなく、コミュニケーションを取り、お互いを理解するからこそ、学びが大きい。今回のワークショップは非常に良い時間でした。
良い経験をさせていただき、心から感謝します。
追伸
今回、龍太さんと出会うきっかけをつくってくれた谷口さんのエフェライフコミュニティー、第三期の募集が始まりました!
月一回の勉強会では、毎回、豪華なゲストが登壇します。エフェクチュエーターのネジの外れた話をシャワーのように浴びていると、自分のマインドが大きく変わってきますよ。
お勧めです!