漂泊の思ひやまず

旅をしている。
日常とはかけ離れたシチュエーション、珍しい街並み、食べ物。朝食の席で耳をくすぐる、ホテルスタッフの柔らかいイントネーション。

まいにち１００００歩を悠に超えるほど歩き回り、昨日はレンタカーなるものを借りてみたり、慣れぬ山越え、本日無事帰着して自動車を返却するなり。便利なものかもしれないが、私には合わぬ。やはり、自分が愛情をかけて万全に手入れをしている車でこそ、気分も高揚する。が、まあ、初めての道を自分で運転するのは楽しい。

とにかく旅疲れ、本日は最終日。居心地のよいホテルでゆっくり休もうと思う。ぐるりとめぐるバルコニーからの青空、古都の街並み、大きなライティングデスクが備わっているので、持参した経済学の本を読み進める。