初めての特養でのお仕事7
お仕事お疲れ様です。
今回は特養でのお見送りについてお話しです。
特養は終の棲家と言われており入居されている方の
最後をお見送りする場面は必ず訪れます。
もちろん、ご家族様や本人様のご希望や状態によっては
入院してそのまま、ご退居される事もあります。
お見送りの時が近づいてきた時私たちは入居者様にどのように
過ごして頂けるかカンファレンスを行います。ご家族様、本人様
専門職種も含め今後の方向性を検討して残された時間を過ごして
頂いておりました。
あるご家族様のお話しです。
入居されていた98歳要介護4の女性Dさんです。
入居当初は、お声がけするといつも笑顔でお話しされる方で
笑顔が素敵な印象的な方でした。
食欲もありとてもお元気な様子で出来るとはご自身で出来るだけ
行われてました。体調を崩されてから徐々に衰弱していく様子が見て取れました。嘱託医の診察でもターミナルも視野に入れなければならない状況まで
衰弱してきました。ご家族様も今後の方向性としてこのまま施設で最期を
看取るのか、治療を希望するか、決断をしなければならない時期でした。
入居者様の時間は限られてきていました。
選択肢は少ないですがご家族様が決断する為に様々な不安や心配事を
嘱託医へ相談して頂きました。
結果、ご家族様は施設での看取りをご希望されました。
ご家族様の決断をした思いを私たちは受け止め、カンファレンスを通して
利用者様の最後の時までの時間をご家族様と共有しながらターミナルケアに
移行していきます。
Dさんはベットから起き上がる事も出来ない状態ですけど、意思疎通は
まだ、辛うじて取れていました。
穏やかに過ごして頂いている中、敬老の日の祝日、施設では
入居されている方々に各ユニットでイベントが行われていました。
Dさんのユニットでも敬老会を開催されており、Dさんのお部屋を
飾り付けしてスタッフがお祝いしたり、ご家族様も一緒に参加され
記念写真を撮ったり楽しい時間を過ごして頂きました。
楽しい時間を過ごしてから1か月位たった頃、Dさんの状態は徐々に
体力の低下もあり肩呼吸も多くなってきました。ご家族様にも
最期の時が近づいている事も嘱託医から説明がありました。
息子さんは、面会に来てもすぐに居室から出てしまい居室前の
椅子に座って親戚の方などの面会が終わるのをまっている様子でした。
私は、息子様にお声がけをしてお気持ちに寄り添うように
少しの時間を一緒に過ごしました。
息子様は「母の弱っていく姿を見るのが辛い」
「母はいつも元気で大きな存在だった、今は小さくなったように見える」
「もう少しでいなくなってしまうと思うと見ていられない」
息子様はそのようにお話ししてくださいました。
私はただ、息子様のお話しを傾聴して一緒にそばにいる事しかできませんでした。
それから数時間もしない時、Dさんは旅立ちました。
私はご家族様へ「家族介護お疲れ様でした」と
お伝えしました。ご家族様が見守る中Dさんは旅立ちました。
私は、最後にご家族様へDさんの身体を拭いてあげて
「最後の介護をしませんか」と提案しました。スタッフと一緒に
最期の介護を行って頂きました。ご家族様からは、体を拭きながら
Dさんの元気な時の思い出話しを聞かせて頂きながらひと時を
過ごして頂きました。
葬儀会社様も来られ、Dさんは施設を退居されいきました。
施設へ入れる事をご家族様の多くの方はさまざまな葛藤の中
決断されているかと思います。
葛藤しながらも施設へ入れる決断をされた方の気持ちを思うと
最期はご家族様皆さんで介護仕舞いをした方が施設へ入れた事を納得できるのではと思いますし家族介護を終える事で、ご家族様も一区切り付けられると私は思います。
特養に入居される方々やご家族様の思いは入居する前から退居する時まで
さまざまな物語があると思います。
私たち特養で働いているスタッフ達は、入居者様やご家族様の今までの
生活背景をくみ取りながら日々ケアを行っています。
特養で働きながら、学ぶことがいっぱいありました。
入居されている方もしっかりケアするは当たり前ですが、ご家族様の
お気持ちにもしっかりと寄り添う事も大切な事だと改めて思いました。
面会に来られた時は日々の様子を報告するだけではなく、ご家族様にも
他愛のないお話しをするようにしていました。