初めての特養でのお仕事4
お仕事お疲れ様です。
現在、特養の立ち上げについて記事を書いております。
今回は、特養入居希望者の実態調査を行った時のお話しになります。
特養と聞くと皆さん終の棲家としてのイメージや入居費用が比較的安価な
イメージをお持ちの方が多いでのはないでしょうか。
昨今の新規開設の特養は殆どが個室になっているので入居費用は、かなり高いです。ひと昔は多床室だと入所費用は年金で収まる事もありましたが
現代では年金での特養入居は殆ど難しいのが現状だと思います。
もし、私自身が特養にお世話になる事があったとしたら費用的にあきらめてしまうと思います。
また、特養に入居するにしても、入居基準もある為、誰でも入居出来るとは
限らないのです。地域によりますが、待機者が100名以上の所もあります。
実際の待機者は直接施設に確認できますが希望を打ち下すような待機者数の
回答になると思います。実際は待機者数を把握しきれていないと思います。
なぜなら、申込み頂いた待機者へ定期的な状況連絡をしていない施設も多いと思います。もし、認定更新や区分変更で要介護が上がった時は申込施設へ
連絡を入れる事をお勧めします。入居順位が変わりますので。
前置きが長くなりましたが、私の地域では、同じ年に私が勤めている法人の他2つの法人が開設予定でした。ベット数で言いますと3法人合わせて
約300床です。これは、なかなかの数だと思います。地域から高齢者様が
一気に300名入居してしまいますので在宅サービス事業所は顧客が居なくなりますので大変だったと思います。
開設時期もほぼ同時期でしたので、利用者様の獲得やスタッフの確保もかなり大変でした。
私たちの法人でも、申込頂いた利用者様やご家族様と開所2ヶ月前から順次実調面談を行います。事前に頂いた申込を基に、ご利用者様が滞在している先へ訪問します。
老健に入所されている方は、在宅復帰が難し方の申込が多く頂く事が多かった印象でした。
在宅からの申込が殆どで、実態調査に私も同行する事も多くありました。
実態調査は1日で多くて5件から7件位でした。
2チームに分かれて行いました。
ある家族様の実態調査に訪問した時のお話しです。
キーパーソンの方はパニック症をお持ちで、対象者の方はお父様で認知症で歩行も不安定で目が離せない印象でした。定期的にショートステイを利用しながら介護をされている方でした。キーパーソンの方はその他にお母さまの
身の回りお手伝いやお子さんのお世話などあり、ご主人も仕事中の事故で
介護が必要な状況になってしまったようです。
正直、こんなに大変な状況で介護している事に衝撃を受けました。
実態調査では、ご家族様の介護状況、経済状況もお聞きする項目もありますので私は、キーパーソンの方にお話しを傾聴しながら涙が出てしまいました。
何とかお力になれないかと思いました。世の中には私の知りえない
本当に大変なご家庭がいっぱいいらっしゃる事を特養で働いて改めて肌で
感じました。
その他にも衝撃を受けるご家庭がいらっしゃり本当に頭がさがる思いでした。
特養で働いてみて、在宅サービスでは知りえない事ばかりの経験でした
また、面談の中で料金のお話しもしますが、やはり費用が高く諦める
ご家族様も多くいらっしゃいました。
働きながら、在宅でぎりぎりで介護をされている方が特養のサービスを受けなければ家庭が崩壊してしまうようなケースも多々見受けられましたが、私たちにそこまで介入する事はできない為、歯がゆい思いもしました。
昨今、ニュースで特養の入所要件について出ていましたが要介護うんぬんよりも費用を何とかならないのかと私は思いました。現実は、費用が高く入居辞退が多くある事が現状でした。もちろん、現場で働いているスタッフ達の
給料など様々係る事からも費用が上がっています。
入居者様のプライバシー等様々な理由で個室になっていますが、現状、個室のニーズは本当にあるのでしょうか?ご家族様的には多床室でも良いので
費用を抑えたいのではないでしょうか。
特養待機者のほとんどが費用が高く特養に入りたくても諦めている方が潜在的に大変多くいらしゃる事を営業しながら常に感じていました。
この状況を何とかならないかといつも思います。
結果、開所するまで、入居辞退やご逝去などあり、オープンまでの総申込者数は200名以上になり、120床に対して面談数は150名を超えました。
開所ぎりぎりまで時間がかかりましたが満床のめどが立ちました。