今週のよみもの「ひと月9000円の快適食生活」
近頃、何もかも値上がりで、食費にどれくらいかけているのか、心配になります。
そんな時に、ふと思い出した本が「ひと月9000円の快適食生活」です。
刊行は、1997年!
いつ私の手元に来たのか覚えていないけど、25年以上前の本でした。
なので、21世紀も20年以上経過した現在では9,000円は無理かも?
いわゆる節約本ではありません。
レシピ本とも言い難い、生活ドキュメント的な読み物といいますか・・・
先人の知恵を使って、無駄なく食材を使った、季節に合わせた(旬のものは安い)料理が紹介されています。
作者は老舗料理屋の息子(でもプロの料理人ではない)、舌が肥えていて美味しいものしか勝たん!というお方。
既製品を買わなくても結構自分で作れてしまうとか、
いただきものの味の濃い佃煮を風味の良い醤油として煮物の味付け兼具材にして醬油を減らすとか、
塩蔵ワカメの塩を取り出して使うとか、
難易度もさまざま、”おもしろ技”も・・・
もちろん、今となっては実践しているものは少ないです。正直に言って、「簡単」と言っても、継続していないと難しいことが多いのです。
でも、ちょっとした工夫と発想の転換で、塩分や油脂を減らすことができると教えてくれます。
パラパラと、読み返してみとると、例えば・・・
うどんなど麺の汁を(自分でつくるなら、ですけど)どんぶりになみなみではなくて少な目につくること。これは、簡単だから続けられる。
どうせ、たっぷり作っても飲み干さないし、飲んでしまうと塩分取り過ぎなのだから、麺がつかる程度で良くない?って感じです。
小さめの器(どんぶり)を使えば、気にならないし。
これは、節約意識というよりも「捨てるものを減らしたい」かな。
そして、乾物を使うこと。
最近は、スーパーでは乾物売り場は海苔か鰹節(削ってあるもの)、ゴマ、塩昆布くらいしか買っていないかも。干しシイタケ、ひじき、豆、使わなくなったな、私。
久し振りに使ってみようか、という気持ちになりました。
この本の特徴として、ぎっしりと書かれていることです。厚みもあります。部分的に1ページ2段書きで小さい文字の箇所があるくらいです。
そして、写真もなく、無駄なページは一切なし。
そういう意味では硬派な本です。でも、ユーモアは忘れない!
奇想天外で笑ってしまうところもあります。
文字だけでは伝わらない説明が必要な場合、イラストが添えてある程度。少しだけ食材のイラストもあったかも。
料理だけでなく、包丁研ぎ、味噌づくり、干物作り、魚のさばき方、下ごしらえ・・・色んな知恵が詰まった”食生活の辞典”のような使い方ができます。
無駄で、不健康で、考えていなくて、もったいない生活しているんじゃないの?
と言われているような気もします。
これからも、時々この本に戻って、今の生活(食だけでなくね)を見直すのも良いのかも、と思った次第です😊
ひと月9000円の快適食生活
著者 : 魚柄仁之助
出版社 : 飛鳥新社
発行日 : 1997年4月