見出し画像

はたらく山羊の休息

何の気もなしに歩いていて、ふと近所に縄文時代晩期の遺跡があったことを思い出しました。

斜面にある遺跡です。国指定史跡となっていて、重要文化財も出土しているそうな。駅から徒歩圏内であり、今や住宅に囲まれた遺跡です。遺跡そのものは埋め戻され、武蔵野らしい雑木林や草むらになっています。

フェンスに囲まれた遺跡を覗くと、…え!?

この後ろ姿は・・・

フェンスに「ヤギ除草中」の貼り紙がありました。現地泊まり込みで、遺跡の一角を2ヶ月くらい掛けて除草してもらうらしいです。(水飲み場も少し離れた場所にありました)

わぁ、もう少し近づけるかな。

水田に写る住宅街

遺跡に沿った道路の向かい側は田植えしたばかりの水田があります。こちらも住宅街に囲まれて、わずかに残る程度。まだ水田、あったんだ。畑はちょこちょこ見るし野菜などの無人販売しているけど。

少し歩くと、遺跡に入れる入り口があります。何となく散歩道になっていることを知っていました。
もちろん舗装されていない"けものみち"のような小道を落ち葉や木の実を踏みしめながら歩きます。ようやく、ヤギ方面に続く道をみつけ、下りました。
オレンジ色のロープ(何か仕掛けはある様子)で結界が張られていますが、意外と近づけました。

こちらを向いてくれている

1頭はお昼寝中ですが、起きている1頭はこちらを向いてくれています。笑っているような、いないような。ヤギとか草食動物は、おとなしそうでも目は笑っていない気がする。
でも、今日は嫌がられてはいないよね、バンダナが似合っているよ。

この角度もいい

除草の仕事期間に何回か「ヤギとのふれあいイベント」があるとの案内がありました。もちろん、子供向け。
働くね~

斜面を上がっていくと、こんな風景
雑木林と草ぼうぼう

すると、ブルーシートが掛けられた区画に出ました。

「埋蔵文化財発掘調査中」

ほほう、昭和から調査していた遺跡なので、調べ尽くしたのかと思っていたのですが、まだ発掘調査は続いていたのですね。
遺跡の隣に市の郷土博物館の分室があって、出土品の説明もあるようですけど、見学は予約制というハードルの高さのため、訪れたことはありません。そして、遺跡も通常埋め戻され武蔵野の自然に覆われていて、公園のような整備はされていません。でも、自由に歩かせてくれます。ピクニック向きな場所とはいいがたいけど、この"そっけなさ"が良いような気がします。

ヤギがいるのは、木々の斜面下

この住宅街の海の中にポツンと浮かぶ緑の小島のような遺跡に期間限定だけど、頼れる生き物がいてくれたのです。ということが、(山羊座の私に)ちょっと嬉しい発見でした。🐐

いいなと思ったら応援しよう!