
【20代の不動産活用】不動産相続はリスク
第1 はじめに
この話は20代~30代前半の方に読んでいただくために書いてみました。確実にという訳ではないのですが、私自身もここで説明したような不動産をしょい込む可能性があります。その意味では読み手の方々と同じ立場にあります。そういった場合にどうするか考えるべく【20代の不動産活用】というテーマで継続して話を書いていくつもりです。よろしければお付き合いのほどお願い致します。
第2 負動産を相続するかも知れない
1 郊外の戸建てと田舎の一軒家とを相続するかも
私の知人は田舎の家と田畑とを相続しています。都会で暮らす彼は週末に田舎へ行き米を作っているようです。
私はそういう田畑を相続する予定こそないものの、ことと次第によっては田舎の一軒家と都市近郊の一軒家とを相続する可能性があります。しかも共有名義で相続する可能性があります。どっちも相続したくないのですが。
なぜそういうことになるかと言うと、祖父母世代が持っていた田舎の不動作を父母世代が相続し、その不動産と父母が都会近郊に取得した不動産とを次の世代が相続するからです。父母世代が祖父母世代の不動産を相続していない場合はけっこうあると思います。その場合は都会近郊の不動産のみを相続することになります。
2 ずしっと肩に乗っかる負動産
田舎の不動産や都市近郊の不動産を相続したら何がまずいのか。使う人も借りる人も買う人もいないのに税金や維持費用や整備費用がかかるからです。言い換えると、不動産を相続した人は収入を実質上カットされてしまいます。収入に負の影響を及ぼし負担になる動産、不動産事業プロデューサーの牧野知弘氏はそういう不動産を「負動産」と呼んでいますが、言い得て妙だなと感じます。
一方、そういった負動産について父母世代は「息子・娘に資産を残してやっている」と思うかも知れません。「使う人も借りる人も買う人もいない」という点がどうしても頭に入らないことが原因だと私は感じています。父母世代自身が祖父母世代から相続した不動産で収入の実質カットに遭っていれば違うかも知れませんが、そうでなければこの認識の差はかなり大きな問題だなと思います。
ライティングの世界では「3つのnot」というものがあるそうです。「見ない」「信じない」「行動しない」という3つのnotを言います。
父母世代の中には、「使う人も借りる人も買う人もいない」という現実を見ようとせず、それを見ても信じない人がいます。もし貴方の親御さんがそういう方であれば、貴方はとてもとても困ることになります。
実質的収入カットに喘ぐ貴方自身に対し親御さんは「資産を残してやっている」という態度で接してくる訳です。「資産を残してやっている」と考えるなら「その分、親孝行をしろ」と考えても不思議はありません。収入カットを強いた当人が感謝して恩返しをしろと言ってきたら怒りを感じて当然というものです。
そうやって親子間の深刻なもめ事が勃発するかも知れませんが、もめても収入カットは解消しません。もめて心理的に消耗するより回避できる争いは回避して対策を考える方が良いと思います。
第3 まとめ
令和のはじめの20代~30代前半の方には負動産を相続するリスクがあります。そしてそのリスクは親子間対立の原因にもなりかねません。なるべく早く、対策を講じることが必要です。