65 不倫遠征の振り返り。またいつか横浜へ‥
https://youtu.be/dgKocTADT0I?si=V-Pe6eOo3Mf_rDp1
♬海沿いの道を 手をつないで歩いた
あの日の約束はもう叶わない夜空の星
通り過ぎてゆく 人も景色達も
気づいた時はいつもおいてけぼりになってた
季節変わり今も君の事 想い出してしまうけれど
何も無かったような顔して 今日も街に溶けて行く
さよなら もう新しい明日へ歩き出した
最後の強がり きっとこれが二人の為だよね?
あぁ苦しいな
この歌詞を彼に教えてあげたい。
かれこれ3年前か、東京に会いに行ったのは‥ 今でも数枚、東京、横浜の写真がスマホに残っている。 見返しはしないけど
もう行く事がない都会の風景写真として
私のホルダーに保存。
私にとって東京は外国くらい異次元な世界。
TVでしか見ない、修学旅行以来 行っていない。おばさんにとって行く用事もない場所。
『遠征』と呼ぶに等しい何倍も努力して
いざ、出陣って心に決めて行かないと
自分からは行こうとも思わない東京。
そうだな、3年前クリスマス前に私は
飛行機に1人で乗って行ったんだ。
不倫が遠距離になり寂しくても私は我慢。
彼の方が先に寂しさに負けて1ヶ月で会いに帰って来た。 だからこそ
今度は何が何でも私が彼に会いに行く。
会社ではコロナ禍で感染防止の為
なるべく外出や遠出は避ける 県外に出る時には前もって報告だのとても厳しいおふれさえ出回っていた。
そんなの私には関係なかった。
職場では真面目な人にうつっていただろう
がそんなルールは簡単に破った。
『お金がない』『時間がない』『子どもを残していけない』
いくらでも行かない、行けれない理由は
あったんだ。
神様が与えた私が自由になれる二日間。
私はこの二日間なら必ず東京に行ける!
そう企み、有休を取る。
飛行機チケットさえ取った事がない私。
不倫遠征の為にまずは行き帰りの飛行機の
乗り方をYouTubeで調べる。そして旅行サイトで往復チケットを取る。
ANAのサイトから座席予約をする。
他の人が当たり前にできる事が私にとったら何倍も努力して神経擦り減らして
時に躊躇して変な汗かきながらひとつひとつをこなしていく作業。
不倫遠征の為に一生懸命に‥
恥ずかしい話、事前に空港カウンターへ出向き搭乗何時間前に来たらいいか?
こちらのカウンターへ来たら良いか?
手荷物は? などなど田舎もん丸出しで聞いた。 東京へ行くならスーツケースで行きたい所だったが大きな荷物は遠征の邪魔、
そしてイマイチ手荷物預かりの所も理解できず私はリュックに1泊の荷物を詰め込む。
『お金の無駄』 『時間の無駄』 そんな事も
考えずとにかく彼に会いたい それだけの理由で東京に行く。 観光なんかどうでもいい
2人で居られるならマン喫でも良かった。
事前準備は完璧だった。体調も万全。
当日も遅刻する事もなく空港へ到着し
1番乗りで保安検査場へ。
やれば出来るもんだわ。
飛行機が落ちない限り私の不倫はバレない そんな風に考えて約1時間 空の上。
海が見えてもうそろそろ羽田に着く‥
そんな時に一気に緊張感が増した。
残した子どもの事、家族を騙してる事、
会社には有休と伝えているがここで
コロナに感染したら私の行動をちくいち
探られる事になる 到着寸前で我に帰り
私やっぱりやばい事してるわ‥
そう考えたら汗が止まらなくなった。
コロナコロナコロナコロナコロナコロナ
私が勤めていた会社ではかなり厳しく
コロナ対策をして 社員が感染しようものなら
誰からもらったか 誰からうつったか
どこでうつったか 本当に厳しく言われていた。
意気揚々と東京に乗り込んだものの
到着寸前で心臓バクバク‥ 背中がびっしょり脇汗ビシャビシャ。 夏場ほどの汗をかいた。
いざ、飛行機が着いて降りても
出方がわからずひたすら人の流れに着いて行くだけ。 コロナ禍だからか平日だからか?
人はまばらだった。
私はトイレに駆け込み肌着を着替えた。
汗が変な体臭に変わって自分でも悪臭と分かったから肌着は空港トイレのゴミ箱に捨てた。
彼に会える‼︎ 私を待ってる!
まだ?と何度もLINEが来ていた。 シャツを着替えて捨てただなんて言えないわー
小走りで出口に向かう私は
ドラマの主人公になりきっていた。
空港で再会した時の事はよく覚えている。
彼が嬉しそうに私を見ていた事も『ヨクキタネ ヤットアエタ』と恥ずかしそうにしていたとこも、やっぱりこれは不倫なんかじゃない
純粋にお互いを大切に思っているだけの純愛だ って。
横浜に1泊した。
桜木町まで電車に乗る。どちらからともなく手をつないでいた。
ホテルは彼が事前に予約。 せっかく泊まるんだからってめちゃくちゃ良い夜景が素敵な所を探してきて ここは? と言われたがやっぱり私は彼に支払いをさせる事が申し訳なく
思って。 これもある意味、洗脳だったかなー
お金が無い、稼いだお金は母国に仕送り
彼の稼ぎが母国の家族は唯一の楽しみであり
彼も家族にしてあげたい その気持ちを
知ってるだけに ホテルごときに何マンも
かけなくていいって言った。
それでも『せっかく泊まるのに』と言われたが高級なホテルではなくその周辺にある
ホテルの高層階にしてもらった。
横浜での昼ごはんはホテルのすぐ側の
ぼてぢゅうだったような気がする。
それも彼が支払いをすると言うから私は1番安いメニューを頼んだ。
『お腹減ってない』と言ったけど
本当は支払いをするって言う彼に気を遣っていたから。
カーテンを開ければちらっと港は見えるがオフィスからこちらが丸見えの部屋だった。 何やってたんだろうな、私。
ふと今になったら我に帰り
彼と過ごした横浜の夜のことを懐かしく思い出す。
お台場まで行っても
コロナ禍で早くから店が閉まっていた事、
クリスマス前なのに人が出歩いていないお台場海浜公園… フジテレビを眺めながら
『本当に私,今東京に居るんだな』って改めて
自分の突拍子もない行動を反省した。
ゆりかもめから都会のビル群を眺める。
アトラクションを楽しんでいる位に私はドキドキしていた。 首都高やビル群の光が
綺麗すぎた。 ずっと見ていたい、2人で。
その時にもやっぱり
この関係は長く続かないから今だけ、
いつか離れるからいまだけは
そんな風に考えていた。
側から見たら 親子に見えていたろうか?
外国人相手にのぼせ上がった熟女。
ロマンス詐欺にでもひっかかっていただろうか? 笑
付き合ってすぐのクリスマスは
『イスラム教だからクリスマスはたいしたイベントじゃない』 そう言っていた事を
思い出す。
東京へ行くことはないだろうけど
横浜は‥ 彼と歩いた桜木町、キレイな夜景に
遊園地のようなエアキャビン。
またいつか行ってみたいなと思ったりする。
彼は私から居なくなったけど
横浜は居なくならないから、あの頃を思い出して冬の横浜に行きたい…
クリスマス前の不倫遠征、今となっては悲しい思い出。