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蒼穹の見聞録24

中央区まで
上昇する

エノクです

エノク
「私達、別れるのかしら‥?」
蒼穹
「どうやってスか?」

それは

私にも
分からない

蒼穹
「片割れを割く理由が無いスよ」
エノク
「そうだけど‥」
蒼穹
「エノクは、そうなったら受け入れられるんスか?」
エノク
「悪鬼に引き裂かれて、ママにも引き裂かれるの?私」

このまま
人として
生きるしか
ないのだろうか?

だとしたら

二重人格

分裂症
多重存在‥

エノク
「引き合う魂が、もしも離れ離れになったとして」
蒼穹
「自分は、人としては生きられないんスか?」
エノク
「もしかして‥私達、双子になったりして?」
蒼穹
「双子‥?」

だとしたら

素敵

エノク
「ねえ。双子か姉妹だったら、どっちが先かしら?」
蒼穹
「先‥?」
エノク
「きっと、私‥貴女より我先に誕生する筈だわ」
蒼穹
「 」

蒼穹は
よく理解して
いない様だ

蒼穹
「エノクがそう望むなら、自分は後でも構わないスよ」
エノク
「張り合い無いわね。蒼穹は」
蒼穹
「自分は、エノクの幸せや、笑顔を見るだけで幸せ」
エノク
「‥それだけ?夢は無いの?」
「目標や、未来に向ける希望は」

その言葉に
反応は
無い

無垢な
眼差しで

真っ直ぐ
見つめるだけ

エノク
「‥蒼穹ったら、大胆な行動起こす割には、人間臭さが無いから」
蒼穹
「え?自分スか?」


エノク
「 」

なんて
会話して
いたら

中央区の
直前まで
上昇していた

滝が
轟轟と
流れる

此処を
潜るのも

私の
魂の
旅立ちの
準備とやらで

これで
最後に
なるの
だろう

中央区司令本部へと
転移した

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