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新日常 小説3

昭和54年

台風20号
本土直撃



私がまだ
母の元で
目を
離さなかった
幼少期

ママが
実家のみならず
里を
守ってくれた

忘れもしない

里は
警戒水位を
超えた

川となる
アスファルト

母と共に
非常用に
弁当を作って
2件超えの
農協へと
避難した

近いが

川の一部と
なった
玄関

私の
小さな足が
前進を
拒む

沢山の
靴が浮く

祖父は家に
残り

ママの
神棚に
祈った

多方面から
吹き荒れる




轟轟と
巨大な
怪物が
里を
蹂躙する

初めて見た



悪魔

屍キング

好きに
呼べば良い

あれは
嵐では
無かった

あれは
魔神具

ママと
向き合った
体験

農協の2階で

長い一夜を
過ごす



続く

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