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蒼穹のフリューゲル56

改修版


二乗された
私の
霊的意識

この状況を
把握する



残響の様に
響く私の
霊的聴覚

行動不能に
陥った
私の
膨張した体を
引きずり回し
搬送する為
収容したのか

放り投げた



破裂した
頭部の無い
真っ赤な
私の体

鮮血に
染まる
真っ赤な
身体を掴み
目当ての
地下施設
なのだろうか

その牢獄に
辿り着く



悲鳴

命乞い

咽び泣く
子供達

ネガティヴの
葛藤が
牢獄に響く

牢獄の鍵が開く

再び悲鳴が
上がる

私の骸を放り投げ
ドスンと音が
聞こえ
よくわからない
膨張したままの
筋肉を牢獄に
無理矢理
押し込んだ
音が響く

再び施錠の音


ん?

あの声

何処かで‥





どのくらいの
時間?

分からないわ

頭部を
粉砕されて
しまったから

ナーシャ‥
ごめんなさい


貴女から
もらった
カチューシャ

駄目になって
しまったわ

私の
頭部の
痛みから
全身全霊で
集中して
復元再生する

お願い
治って

ついでに
腕だって

真っ赤な霧
視覚
聴覚
共に復活する

痛いとか
来るしいのなら

とにかく
迅速に治す!

はよ!


エノク
「‥は!」
「治った!やったわ」


共に再生を
確認した

ん?

エノク
「彼方達‥どうして此処に⁈」

私の
本質を
煽った
女子



やんちゃな
男子生徒達の
姿があった

エノク
「え、え〜と‥?」


女子
「こっちのセリフよ!」


エノク
「え?いやいや‥」
男子
「腹減った‥」
女子
「どんだけ聞かせんのよ!そのセリフ!」
エノク
「 」

女子が
事情を
説明する

嗚呼

要するに
転校など
してなかったのね

此方も
生贄目的で
捕まったと
説明した

エノク
「大元は‥誰?」
「連れて来た張本人がいる筈」


女子
「何、退治でもしてくれるの?」
エノク
「出来るかしら?出るのは
簡単だけど」
男子
「頼む‥出してくれ!」
エノク
「そうね。政界なんて私達に
相応しく無いわ」

女子
「‥政界?どうするのよ?
アンタ不死身でしょ?」
エノク
「ん‥グロい所見せちゃったわね
申し訳ない」
女子
「ねえ‥何で生贄なのよ⁈」
エノク
「まずは政界の情報収集から‥
とは言え此処じゃね」
女子
「出たいんだけど」
エノク
「出てもそれじゃまた捕まるわ」
「もしも看守が内包者だったら
私でも不利だし。惨敗して捕まったわ」

女子
「右腕キモいくらい伸びてたでしょ?何あれ」
エノク
「嗚呼、そう言えば第四形態も
私の腕しっかり戻ってるわね」
「良かった‥これが修復再生ね
それならこれからは第四形態で
暴れさせてもらうわ!」
女子
「だ、第四?」
エノク
「ね、一緒に考えましょう」

第四形態の
特性として

格納
修復
再生

膨張は
制御可能

良し

さてと

看守の目は
厳しいと思う

それでも

彼らは
助け出したい

無論全員



さてと

どうしようかしら?

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