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lost kingdom10

王都

ベルハルトを
発つ

大型船の
移動も
久方ぶりだ



側近の
ジャズと
語る

ジャズ
「姫さんが国を再建
しちまうとはねぇ」


殿下
「亡き皇帝の国を
そのまま受け継いだ
そうだな。確か」


ジャズ
「オウドリーフ、でしたか?」

嗚呼

そうだ
国の再建に
かつての
名を継承する
必要は無い

殿下
「姫君は昔の国の名など
覚えてはいない様だった」
ジャズ
「しかし、下界の遺跡
気になりますな」


殿下
「情報は不足している」
「瀕死の少女の証言ではな」


小さな
来訪者の
証言では
全貌は
見えては
こない

人の手で
奇襲をかけず
アンドロイドに
全振りする
国では

不気味としか
言い様が無い

船員
「前方にオウドリーフを
確認!」


ジャズ
「これは」


殿下
「嗚呼‥立派な街だ」

噂だけでは
わからない
ものだ

巨大な
十字架が
2隻

攻防神が
ゆっくり回る


ジャズ
「たまげた‥」


殿下
「嗚呼‥素晴らしい」

姫君からの
通信だ

カナ
「ようこそ!殿下!」
殿下
「此処まで再建出来るとは」
「ベルハルトも顔負けだ」
カナ
「笑」
トマリ
「殿下!お待ちしてました!」
殿下
「殿方。久方ぶりだ」
「歓迎感謝する」

感服した

右前方に
崩落したであろう
名残の塔が
心なしか
傾いている
気がした

それでも
奇跡の王国と
言えた


ベルハルトの
患部として
勤める
ジャズが
トマリと
戯れ合う

ジャズ
「立派になりやがって!」
「元気かこの」
トマリ
「笑」
「見ての通りだよ」

見渡す限りの
街が広がる

ジャズ
「凄え‥ビリーの奴は
どうしてるかな」
トマリ
「姉さんとは会ってないなぁ」
ジャズ
「そこは会ってやれよ笑」

カナ
「殿下!やっと会えた!」
殿下
「復興を此処まで
体現するとはな」
「子宝にも」
エノク
「殿下!エノクです」
殿下
「エノク、良い名だ」
「しかし、デカいな‥
あれが問題の遺跡か」
トマリ
「はい。あれ?あんなに
傾いてたかな?」
カナ
「塔が‥」
エノク
「 」


その時

傾いている
塔が

一気に
ずり落ちた

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