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精神世界物語 中編8

神崎雫です

咆哮と
衝撃は
エノラの背後で
闇に混同する

咆哮は
黒い霊体だ

嗚呼
うるさい



「エノラ!エノラ!」
「返事して!やだよ
こんな終わり方」

エノラは
反応しない

半開きの眼が

こめかみから
伸びる
鉄筋で
頭部を
裂傷してる

二方は
即死を
回避させて
くれたものの

危険な状態だ







死んだ?

この声
誰?

『エノラ、聞け』
エノラ
「誰?」

『誰でも良い、聞け。
ミリオンステージを
開け』

エノラ
「ミリオンステージ」

次のスキルアップ

私のヴィジョンを
正式に
具現化しろと
彼は言う

エノラ
「分かるけど、対象が
早すぎてベクトルを
捉えられない」
「おまけに昏倒すれば
意味が無いじゃ」

彼は
陽気に笑う

不思議と
不愉快
では無い

『昏倒など恐るるに
足らず。ワシらは
信じとる身だぞ』

『プロセスメント』


そうだ

ミリオンステージを
開いて
それから

エノラ
「唱えるだけで
良いんだよね?」

『フフ、驚くなかれ。
手の内思うがままよ』
『狙い撃つまでも無いぞ』

全ては式で
組み上げられ
繋がっている

距離と二乗を
繋ぎ合わせ

解き放て

そう言って‥

私の
頭部に
鈍痛が
走る

痛みは
最高潮に
達した

エノラ

「んああああああ‼︎」



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