見出し画像

アルゴリズム伝記終


此処か?

古代湖だよ

時代?
今だろ

俺か?

語るもんじゃ
無いけどな

魚人だしよ

俺はドクオ

爺ちゃんから
古代湖で
薬草取る
約束してた

爺ちゃん
「お、ドクオ待ってたぞ」
ドクオ
「薬草取るんだろ?」
「全部違うって」
爺ちゃん
「嗚呼、全部生薬の
効果も違う」

古代湖まで
歩いていく

見慣れない
ガラクタの山が
見える

ドクオ
「な、何だよコレ⁈」
爺ちゃん
「黙ってだけどな」
「こんな物が
積み上がってた」


腹が
立って来た

不法投棄じゃ
ねえか!

何て奴らだ

爺ちゃん
「こんな物でも役に
立ってくれりゃな」

爺ちゃんが笑う

そんな
爺ちゃんが
好きだ

爺ちゃん
「んん?」
ドクオ
「爺ちゃん?」
「何だよ」
爺ちゃん
「コイツ動くかな」
ドクオ
「アンドロイドの
頭だろうけどさ」

いつの時代の
ガラクタだ

風雨に晒されて
ボロボロの
頭部だ

爺ちゃん
「どれ‥」

ドクオ
「 」

1時間は
かかったか

爺ちゃんは
頭部を治す為
睨めっこしてる

ドクオ
「爺ちゃん?」
爺ちゃん
「動けばよ
話し相手か
家族にも
なれそうだろう?」

そんなもの
要らんと
言う顔に
気付いていた


爺ちゃん
「人と話すのは苦手か?」
ドクオ
「身体の作りも
違う奴らだぜ」
爺ちゃん
「住めば都だ
話せば仲良く
なっちまう」
ドクオ
「 」

爺ちゃんは
頭部が会話できる
くらいまで
直した

そして

胸を押さえて
うずくまる

俺はG-bart
空中救助隊を呼び
爺ちゃんに
声掛けして
叫んだ

爺ちゃんは
搬送先の病院で

俺と
婆ちゃんを
残して

先立った‥



人は苦手
だから
口下手でよ

中学時代に
爺ちゃんを
見送った

あれから
俺に涙声で
電話した
変な女子が

うちの
漢方薬を
求めて
連絡して来た

来たばかりの
変な奴


エノクだ

駅から近いのに
全速力で
駆け寄る


生薬の
勉強中だった俺は
ばあちゃんに
任せて薬師の
勉強する

アイツ処方
済んだら
喜んで
すっ飛んで
行ったな

やっぱ変な奴



爺ちゃんが
残した
アンドロイドが
俺に話し
かけてくる

嗚呼

コイツ
テツオな

テツオ
「ドクオ様」
ドクオ
「ドクで良いよ」
「アイツも言ってたろ」
テツオ
「ドク、彼女はとても
不思議な方です」
「他人の方にあそこまで
必死になられる」
ドク
「変わってるよな」
テツオ
「いつか、その品性が
誇りになると」
「私は考えます」
ドク
「誇り‥か」

誇りなら
ある

そう考えたら
爺ちゃんの
事を思い出す

涙が
溢れた


こんな
俺でも

爺ちゃん
見てるか?

頑張って
薬師に
なるよ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?