flower of the gland
奈落
絶海へと向かう
雲を渡る様に
漂流する
浮世
岩礁
島々
大陸
此処はラグラ
果て無い大空の世界
ランドシップと
呼ばれる
文字通りの
浮世世界
上に街があれば
下にも街が広がる
そんな異世界
そんな
浮世世界で
生きた私の
人生は
何と言うか
色々大変でして
私、エノクです
中学生に
なりました
種族はエルフ
魔法?
無理無理
私の魔力腺は
手足共に退化して
生成出来ない
だから式も
組めない
退化させたと
言って良い
分器を超えた
創造主の力
創造もすれば
破壊もする
私の身体も
例外では無い
今では普通に
女の子
です
そんな
ある日の事
墓地に
彼、スクと来た
制服姿で
デートでは無い
スク
「‥花だ。添えてある」
エノク
「変ね、前は無かったわ」
彼は花を見ると
それがしばらく
経過したものだと
言う
スク
「交換しよう
この花は長く無い」
エノク
「ええ‥」
スク
「 」
エノク
「どうしたの?」
「ハッ⁈」
4〜50人の団体
黒い服装
私はそれが
誰であるか
すぐに分かった
スクが
警戒
身構える
私はスクを
静止する
エノク
「大丈夫、分かるの」
スク
「エノク‥」
先頭の彼
エドだ
微笑んでいる
かつて無い
更生
両手に
花を抱えて
私も微笑み返す
エド
「やっと会えたね」
エノク
「はい!」
エド
「これなら、
いつか会えると
思ってたんだ」
エノク
「ありがとう、エドさん
みんなも!」
全員照れ笑いする
恨んでなど
いるものか
エド
「償うとしたら‥
何が出来るだろう」
エノク
「難しく無いわ‥
曽祖ハハの遺言
私の正直な気持ち
みんなに託す」
エド
「どんな言葉?」
エノク
「どんな結果でも
良いわ‥」
「強いあなたなら
‥だから、生きて」
エド
「 」
「君に向けた
言葉だろう?」
エノク
「そう、だから
今のみんなにも
相応しい言葉よ」
男
「何故、あそこまで
出来た?」
エド
「エニグマ‥」
エドの
側近なのか
エニグマが
聞いて来る
エノク
「どんな結果でも
私は調和を願う」
エニグマ
「我々は殺したのだ」
エノク
「それでも」
エニグマ
「 」
エド
「俺達みんなで力に
なろうと思うんだ」
エノク
「ありがとう!」
「私、魔法使え
なくなったの」
一同が
顔を見合わせる
エニグマ
「魔法は足から?」
エノク
「魔力腺が退化
したの。焼き切れた
様に‥」
エド
「なら、媒体の杖で
代用すれば良いんじゃ
ないかな。エニグマ」
エノク
「杖‥?」
エニグマ
「生成が不可能
では無い。これを」
エニグマが
ベクターBOXから
杖を出すと
私に差し出した
エノク
「わ、私に?」
エニグマ
「魔力腺を
見ても良いか?」
エノク
「服来たままじゃ」
エニグマ
「問題無い」
そう言えば
私の魔力腺は
今どんな
感じだろう
私はまだ
良く分からない
エニグマが
詠唱
「リモートビューイング」
私の魔力腺が
浮き上がる
エノク
「 」
スク
「こ、これは⁈」
エド
「諦めるのは
早そうだねエノク」
エニグマ
「腺の‥華」
エノク
「これ‥今の私⁈」
私の魔力腺
胸部から
開花した
花の様に広がる
魔力腺が
華の様に
浮かび上がり
輝き出した
エノク
「す、凄い!」
「これが‥今の私の
魔力腺なんだ!」
エド
「これでは‥殺傷は
出来ないね」
エノク
「‥つまり?」
エニグマ
「最大でも昏倒させる
レベルの威力」
エノク
「 」
なんて事
私の願う
魔力腺だ‥!
エノク
「殺さずの‥魔法が
使えるって事?」
エニグマ
「例外無く少なくとも
殺傷する事は出来ない」
エノク
「嬉しい‥この
魔力腺なら私」
「式は展開
出来るかしら?」
杖を構えて式を
組んでみる
杖が光る
エノク
「本当だわ‥まだ
魔法が使える!」
「もう無理だと
思ってたわ」
エニグマ
「魔力腺のパターンは
人それぞれ違う」
「杖が必要な者もいる」
エノク
「けど、杖もらっても
良いんですか?」
エニグマが
頷いた
他の人達は
きっとそれぞれの
スキルがあるのだろう
更生した
彼らに感謝した
その時
エド
「エノク、実は
グノーシスは他にも
いる」
エノク
「え?」
私とスクの
目が見開く
嗚呼
まだ
終わって
いなかった