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Sacred Nail of Exeveria9

街外れ

ポータルの
ログを消した

追っ手は来れない

掌底を受けた
胸の痛みが
こたえる

突き飛ばされた
痛みよりも
骨は
折れてないか‥

僕はクナイ

基地司令部に
通達した

アガセ
「ユングはアメルドに
滞在する双子‥か」
クナイ
「本人を知る人物でした」
「格闘慣れもしています」
アガセ
「やられたか」
クナイ
「掌底を喰らったのは
初めてでした‥」
アガセ
「ご苦労だった
癒やせよ」
クナイ
「はい」


この一撃は
大きい

戻ろう




コダチ
「大丈夫?」
ニール
「惨敗だね」
クナイ
「嗚呼、サキは?」

サキを見る
機体の手の甲に
腰を下ろした
まま眠っている
頬に脂汚れが
付いていた

何かしらの
セッティングを
終え疲れた様子だ

ニール
「コクピットで何
してたんだか」



シート周りの
調整だろうか

クナイ
「‥次は」
ニール
「え?」
クナイ
「ユングと対峙する
かもしれない」
コダチ
「勝てるかしら」
クナイ
「正攻法で対峙は
出来ないよ」
ニール
「僕からも調べてみたよ」
コダチ
「いつの間に?」

隊長機のスペックは
非公式だと言う

地下施設からの
製造工程の末
らしい‥

クナイ
「強襲される訳だ」
ニール
「疾しい研究するから」
クナイ
「施設内は全て粒子分解
されたか‥」

情報は伏せられる
程、残らない訳だ

ニール
「クナイ、見られてるよ」
クナイ
「ん?」

サキが
僕を睨んでいる

サキ
「遅い」
「しかも何?喧嘩負けで!」
クナイ
「ポータルのログは
消して来た」


サキ
「そうじゃ無くて!」
「心配したのよ⁈」
クナイ
「嗚呼、大丈夫‥」

胸を押さえた
吹っ飛ばされたからな

サキ
「来て!手当てするから」



サキ
「無茶しないって
言ったらこれ
なんだから」
クナイ
「ありがとう」
「それで、何してたの?」
サキ
「複座にしたのよ」

コクピット
ハッチが開き
シートが迫り出し
複座型へと
変更されていた

無駄に前方部が
迫り出した作りが
後席のスペースを
確保する程度に
バランス良く
調整されていた

前席に座る僕の
スペースが無駄に
ならない程度に
前に出ていた
しかし‥

クナイ
「このシート‥」
「一体何処で?」
サキ
「他にも機体の残骸やらが
あったのよ」
「新しい機体が大破してた」
ニール
「近くで戦闘があった⁈」
「そこから持って
来たんだね」
サキ
「いつまでも抱っこ
してもらう訳に
いかないでしょ?」

直接座ってみる

感覚的にバランス良く
座る事が出来る

この調整は
そこらの
整備士では
なかなか出来る
ものではい

クナイ
「流石はサキだ」
サキ
「システムには変更は
無いから安心して」
クナイ
「助かる」
サキ
「クナイだけじゃ無い。
何かあったら私」
コダチ
「どうしたら
良いのよってね」
サキ
「こ、コダチ!///」


嗚呼‥
いつもの
談笑に変わる

それで良い


今頃はユングに
通達されただろう

近いうちに接触も
考えられる

その時は

機体同士の戦闘も
考えなければ
ならない

その筈は
刻々と
近付きつつある


そんな気がした

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