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Ragura Floating World57



エノクは
式を制御する

その為
対象を
囲む必要がある

‥‥


僕はスク

エノクの
見舞いを終えて
今帰り

ピロン

噂をすれば

エノク
「ママ怒ってた?」
スク
「心配してた」
「エノク、覚えてる?」
エノク
「?」
スク
「あの本で何を
調べてたのか」


エノク
「最後の解読」
スク
「それが鍵か」


エノク
「分からないの」


エノクはイメージで
式を制御する
そう言っている

式のベクトルを
リニアにするとか
推奨してみた
案の定良く
分からないと言う

端末の
モデリングアプリで
僕の想像を
エノクに
送ってみた

おそらく
式のベクトルは
水平面で発動
できる筈だ

それを
リニアにする事で
ベクトルを
垂直に変える
法式

エノクが散々
式を制御してたから
僕は理解した

いずれ奴も仕組みを
理解できると思う

そうなったら
厄介だ

エノク
「気付かなかった」

スク
「リニア法式なら
ベクトルの収束が
圧倒的に早い
つまり
重ねれば
レールガンの
様に撃てる」
エノク
「凄い!早速」
スク
「退院したらね」
エノク
「うう‥」

でも
彼女の事だ
何かしら
企みを
実践して
更に前進
するつもりだろう

エノク
「スク」
スク
「何?」
エノク
「大好き!」

通話が切れる

‥‥

まただ

僕は
変な顔を
再びしている

僕を
大好きと
彼女は言った

この感覚
悪くない

今まで
経験した
事の無い
感覚

けど、エノク

面会の
過ぎた時間に
そのセリフを
通話でするなんて

フッと笑う
僕は

スク
「君はズルいな‥」

端末を仕舞う

僕は再び
歩き出した

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