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Ragura Floating World12


私アリサ

エノクお姉ちゃんが
残してくれたこの家族

一人歩きして来た

私を迎え入れる様に

タケも私が来るのを
快く迎えてくれた
そんな印象だった



侵食者を前に
倒れたお姉ちゃん

アリサが守れなかった事は
今でも悔しい

けど

一番悔しいのは
侵食者の呪いは残り

お姉ちゃんの生きた
時間も限られていた‥

一日でも
長くいる時間を
過ごすべきだった事

泣いても
笑っても‥

過ごした時間は
もう戻らない

あの日

行く当ても無く
訪れ
会いに来た私を

家族総出で
出迎えてくれた
タケ
イーノ
ロカ

そしてカズ
この子‥



お姉ちゃんと同じ髪の色
ナチュラルに伸びた前髪が
綺麗‥

リビングの写真が
目に映る
お姉ちゃんの笑顔が

嫌だ
嘘だ
こんなの‥

涙が一気に溢れ出した


その場で泣き崩れた

お姉ちゃんが残した
家族がみんな
私を宥める
それでも‥

血が通って無くても
私の大切な人生で
失いたく無い
存在が‥

心の
痛みとなって残る

それから私は
タケと話し合った

話し合いの末
この家で生活
する事になった

イーノもロカも
たまらず喜んでいた

この頃のカズは
静かに微笑んでいた。

タケの紹介で
精神考古学研究会に
入社したのも

お姉ちゃんが私の分まで
幸せを分けてくれた

今ならそう思える。





僕、カズ

いや、この方が
自分にしっくり来る

自分が変わった様だ

攻防神の影響もある

けど、不思議なんだ

何故こうもこちらに
接触して来るんだろう

不思議に考えてたら
マヤと会う

カズ
「おはようマヤ」
マヤ
「おはよ。あのね」
カズ
「ん?」

学校では友達状態の
ふりをしよとマヤが言う。

どうやら僕に目をつける
女子は他にもいるらしい

中には闇落ちした
ヤバい性格の者も
いるとか‥

マヤ
「私の端末を奪った小動物」
「アイツの飼い主とかよ」
カズ
「生徒の中にマヤに危害を
加える奴がいるって事⁈」
マヤ
「カズも気をつけてね」
カズ
「わ、わかった」



飼い主は
思った以上に
早く接触して来た

授業後の休み時間

「カズ君」
カズ
「?」

「話があるんだけど」
カズ
「 」

無人の廊下へ
案内しようとする
同じクラスの
エルフの子‥

端末を使い
マヤに発信した。

カズ
「人気の無い場所に
誘うのは勘弁かな」
女子
「‥‥」
カズ
「ポータルを扱う
小動物に会ったん
だけど」
女子
「 」
カズ
「飼い主を探してるんだ」
「騒ぎになったからね」
女子
「‥‼︎」
カズ
「学長にも話は
通ってるから
犯人を探していた
ところだったんだ
‥僕に話って何?」
女子
「親に言ったの?」
カズ
「‥どう言う意味だろう」
女子
「あの子と何してたの?」
カズ
「君は何を隠してるの?」
女子
「質問を質問で返さないで」

マヤが廊下から
駆けつけて来た

マヤ
「カズ!気をつけて‼︎」
カズ
「マヤ?」
女子
「くっ!」

女子は小動物を呼び出し
僕に接触させると
ポータルが発生した
発光の中に包まれた

カズ
「‼︎」
「何を⁈」
女子
「もういい‥消えちゃえ」
マヤ
「やめて!カズは関係無い‼︎」
カズ
「マヤ‼︎」

ポータルに
飲み込まれた僕は
一人知らない場所に
飛ばされてしまった‥

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