Ragura Floating World
番外編
私アリサ
今日はお姉ちゃんに
久しぶりに会える!
もう子供じゃないから
施設出た
一人で生活できる
様になった
端末も自由に
扱うし
感応通信Linkで
お姉ちゃんと通信して
分かった事は
何だっけ‥
そう
エアーフライト!
精神考古学研究会に就職!
お姉ちゃんパパに
続いてタケも
念願の就職も資格
取得したって
想像したらカッコいい‥
よくわかんないけど笑
あと、アリサだけに
お姉ちゃんから
大切なお知らせも
あるって言うし
早く会いたいなぁ
当日
学生寮の
エントランスで
お姉ちゃんと
待ち合わせ
お姉ちゃんに
無理言って
此処にしてもらった
他の場所は私
よくわかんないから
お姉ちゃん少し
困ってたけど
来た!
久しぶりの
お姉ちゃんの笑顔!
?
アリサ
「 」
「お‥お姉ちゃん?」
エノク
「久しぶりね、アリサ」
お腹出てる‥
嘘‥?
アリサ
「大切なお知らせって」
「‥もしかして」
エノク
「ん‥ふう」
アリサ
「妊娠中なんて‥
知らなかった」
「おっきいお腹‥」
エノク
「そうね流石に」
アリサ
「うん?」
エノク
「双子となると」
アリサ
「 」
‥知らなかった
でも
アリサ
「就職決まって、
エアーフライトの
資格取ったのに」
エノク
「タケには此処に
来たって内緒よ」
黙って来たの⁈
大丈夫?
エノク
「予定日近いから」
アリサ
「無理言ってごめんなさい」
エノク
「良いの、私も
会いたかったんだから!」
「それに」
アリサ
「?」
エノク
「学生寮には、
悲しい事‥
思い出すから」
アリサ
「え?」
知らなかった‥
沢山の人が
デニッシ族に
殺されたり
傷付けられたり‥
アリサ
「そんな事が」
エノク
「ん‥」
「でも、頑張って
卒業したのよ」
アリサ
「凄いね、お姉ちゃん」
エノク
「アリサは一人で
生活してるの?」
アリサ
「うん!」
お姉ちゃんは遠い目で
いえ、元生活していた
自室の方を向いて‥
少し間を空けて話す
エノク
「結婚は籍だけ。
まぁドレスは諦めた笑」
アリサ
「急ぎすぎだよー」
エノク
「そうかしら?」
「でもタケと
暮らすって幸せだわ」
本当に幸せそうな
お姉ちゃんの遠い
笑顔‥
知りたい
アリサ
「お姉ちゃんと
同じもの見たいな」
エノク
「‥ん」
「あのね」
同じものは見れない
お姉ちゃんが話す
エノク
「理屈じゃないんだけどね?」
「私自身、何故遠くを
見るのかうまく
説明出来ないわ」
アリサ
「あんなに沢山私に
教えてくれたのに?」
聞けば答える
範囲のものは‥
そう答えてくれた
けど、見つめる先の
詳細は、あらゆる本質と
向き合う為のベクトル‥
それ以上は答えられない
そう呟いた時だった
端末が鳴り出す
エノク
「あら‥」
アリサ
「お姉ちゃん?」
エノク
「ん〜。タケにバレたわ笑」
ピッ
「ごめんなさい
戻るから」
ピッ
え?
そこで切る⁈
エノク
「そろそろ行かないと」
アリサ
「元気でね。また会えるよね」
エノク
「ええ」
「名前」
アリサ
「名前?」
お腹の中の子達の名前
もう昔から決めていたみたい
そう答えると
お姉ちゃんは
エントランスで
私と別れた。
次に会ったのは
侵食者に追われた
お姉ちゃんを助けた
時だったの‥
もっと
そう
もっと
会っておけば
でも本当は
私に一人になって
生活してほしくはないと
思っていたのかもしれない
今なら分かる
気がする
いつしかお姉ちゃんが
デニッシ族に
狙われていた事も知り
私はお姉ちゃんの
生活を守る為に
マーゴやクアル達と
影ながら見守っていた
戦闘もあった
お姉ちゃんに
見せたくない戦闘の
事情さえ
それでも‥
いつか
それを伝えなきゃ
ならない時は
きっとあるから
その時は‥