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After Furu13


私アリサ

朝ごはん
食べて
ないけど

カオが
作りすぎて
しまったらしい

カオの
部屋まで
歩く

インターホン

アリサ
「カオ、来たよ」
カオ
「はい。今行くわ」

ガチャリ

ドアが
開くと
良い匂い

アリサ
「カオの料理美味いから」
カオ
「ありがとう。持ってく?食べてく?」


アリサ
「うん。食べてく」
カオ
「座ってて」

手際よく
準備している

やっぱり
カオは
しっかり者だ

お姉ちゃんを
思い出す



けど
カオは
お姉ちゃんの様に
体張る様な
勇気は
無いけど

アリサ
「良いね〜」
カオ
「何が?」
アリサ
「将来的に有望」
カオ
「どう言う意味よ?それ」

テーブルに
朝食が並ぶ

頂きます

アリサ
「んふ〜」
カオ
「どう?」
アリサ
「アリサより美味」
カオ
「笑」

頬張る
アリサに

カオは
しばらくして
口を開く

カオ
「アリサみたいに、勇気が出せたら」
「デニッシ族も、怖くないのかしら?」

アリサ
「 」
カオ
「屋上で私‥何も出来なかった」

デニッシに
捕らわれ
助けた時の
事だろう



カオにとっては
あれが
トラウマ
だろう

アリサに
とっては

アリサ
「最初から勇気が出せたら‥苦労は無い、かな」


カオ
「‥アリサの事、聞きたい」


カオ
「問題無ければ‥だけど」

なるほど‥
本題は
そこかな

お姉ちゃんにも
話せない
昔の話

白状すると

親を
奪われ

生活を
奪われた

政界での
デニッシ族
内包者

牢獄生活を
話す

恐怖も
不安も
植え付け



強姦も
暴行も
された

それでも
命かけて
走り出した

捕まって
もうダメだと
分かった
瞬間

お姉ちゃんに
助けられた

アリサ
「お姉ちゃんのおかげ」
「憧れて、誇れる人なんだ」


カオ
「 」

カオは
言葉を
失った

大丈夫
昔の事

消せない
過去

アリサ
「まぁ、昔の話だよ」
カオ
「アリサ‥ごめんなさい!」
「私‥軽率に」
アリサ
「ううん。自白したのアリサだし。お姉ちゃんにも、話した事ないけどさ。最初から勇気も出せないのは仕方ないじゃん」
「内包者だからって、最初から強い訳じゃないしさ‥」

沈黙

アリサ
「カオは、カオらしいが一番だよ」
「アリサは、一度は壊されたけど」

壊された

けど
それを
変えてくれた

だから

アリサは
笑ってみせた

カオ
「強いわ。アリサは」
「何でも出来る訳よ」
アリサ
「いやいや。スクには内緒だよ?」
カオ
「言えないわ」

言える
筈もない

気を取り直し

二人で
しばらく
談笑した

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