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ドラの翼で 壱


ドドンっ!

時は

幕末

大江戸大町



徳永家康公

大富士
逆富士を
背に
聳え立つ

この地に
舞い降りた
大船団

黒船ペリー
来航

星間条約の
協定を求め

超銀河団からの
遥々の来航
であったが

幕府側は
頑なに
拒否

浮遊砲にて
迎撃作戦を
執行してしまう


ペリー提督の
苦渋の決断で
あった



大江戸大町の
領土の
果ての
荒野に
広がる
クレーターを
眺める


「あちゃー‥ペリー提督」
「完全に怒らせ
ちゃったかな」

『 』

ドラ

背中に
乗せて
もらってる
姿形こそ
異端だけど
血の繋がった
私の弟だ


私は端末の
通信を得て
爺ちゃんと
会話を
している

爺ちゃんは
母さんの
命日から帰る
私の身を
案じながら
会話する

徳永幕府の前では
私達は異端民族

家康公は
日本(ヒノモト)
の領土を
各大名に
分譲させ
鎖国を
実現した

驚異的な
異端文明の
来訪者に
強い警戒心を
抱き

闘争心を
燃やす

特に
私達には
耳が痛い
問題だ


爺ちゃん
「マキ、徳永の監視は
日に日に厳しくなっておる
御用艇の数も増えて巡回
しとるからな」
「ドラの様子はどうじゃ?」
マキ
「長距離飛んだから
無理無いけどさ」
「粒子ダダ漏れよ」
爺ちゃん
「こりゃマッサージ
確定じゃな」
「Bルートで戻るんじゃぞ」
マキ
「はーい」
「ドラ、帰るまでの辛抱よ」
「もう少しね」
ドラ
『わかった〜』

素直な
弟だから
私は大好き

雲が多い

一雨降るのを
覚悟して
Bルートを
突っ切る

案の定
ずぶ濡れの帰宅




マキ

「ぶあっくしょい!」


我が家の
浴室にざんぶり
浸かると
でっかい
くしゃみ

命の洗濯
最高

さてと

問題は風呂を
出た後

着替えは
あったかな?


貧乏でさ


あったわ


今頃
ドラは
至高の
マッサージを
爺ちゃんから
受けてる筈だ

爺ちゃん
「デカいくしゃみじゃ
出たか、マキ‥」

「うお⁈」


風呂を
浴びた
私は
バスタオル巻いて
自分の部屋へ
直行
爺ちゃんに
一言残す

マキ

「見んなよ」

爺ちゃん
「 」
「やれやれ‥もう少し
お淑やかになれんかの
ドラ、お前は‥」

爺ちゃんの足
全体重で
受ける
至高のマッサージは
ドラの
粒子加速器官には
うってつけ

すやすやと
眠る

着替えた私は
スラっと
自室の襖を
開けた

元は
婆ちゃんの
部屋

マキ
「お淑やかで無いのは
生まれつきです」
爺ちゃん
「何じゃマキ‥」
「婆さんが作った制服
ではないか⁈」
マキ
「そりゃ他に服あれば」
「ねぇ婆ちゃん🎵」


仏壇の
前に立つ私

婆ちゃんが
生前
最後に
残した
制服

私に
ピッタリです

中学生になる姿

見せたかったな

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