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Ragura Floating World40

男の子達と打ち解け
秘密基地に
招待すると言う

街の最上階
ビルの付け根に
ランドシップの
逆さま山のふもとに
穴が開いていた

その穴は窪みの様に
はまる中途半端に 
塞いだ岩礁が
子供達の格好の
秘密基地となっていた

女の子
「あんな所に?」
エノク
「どうやって
行ったんだろう」
女の子
「危険じゃない?」
「注意した方が‥」
男の子
「エノク、行こう!」
エノク
「え?あ‥」

手を取り
私を連れて行く
男の子達に
連れられる
それほど離れていない
その窪みまで案内された

エノク
「危険じゃない?」
「岩礁が動いて危ないよ」
男の子
「大丈夫だよ」

その根拠のない
確信に素直に従う





窪みは洞窟の様に
穴が開いていた

その中で

男の子は
親と仲良くしたいけど
どうすれば良いのか
分からないと言う

エノク
「何でも話す」
「困ったら相談する」

聞けば答える
今までの私の経験は
男の子達の相談にも
乗る事が出来た

男の子
「俺もエノク
みたいになれるかな」
エノク
「素直が一番だから」
男の子2
「この隊の名前
変えた方が良くね?」
男の子3
「エノクに決めて
もらおうよ」

また振ってきた

私はしばらく首を傾げ
答える

エノク
「輝き隊?」

男の子2
「す、すげえ!」
男の子3
「流石エノク」

にっこり笑う私

その時だった

ズズズ

後ろで嫌な音
薄暗い洞穴が
更に暗くなる

振り向くと子供でも
通れる筈の
隙間が狭まっていた

男の子達は
パニックになる

ついには泣き出した

エノク
「待って、ミタマ!」

ポータルから
ミタマが現れた

エノク
「ここから出して」

ミタマが頷く
ポータルが再び輝く

エノク
「みんな、入って!」
「出られるから!」


男の子達は
先導して突入した
ミタマの後を追い
次々に避難する

最後に私が突入
しようとした瞬間
ポータルが‥



消えた

エノク
「 」

いや、まだだ

ポータルのログは
まだ残っている
ミタマが来てくれれば
再びポータルを
発生してくれる筈だ



その筈‥

待っても

ミタマの姿は

呼んでも来なかった‥

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