mystery gem 1
お姫様
そう聞いて
真っ先に
思い浮かぶ
立派なお城
古城と聞けば
風情ある
城下町と石畳
悪く言うなら
俗物
貴族
なんてね
私
カナよ
確かに
王族
昔はこんなだった
らしいわ
翼竜で
国を跨ぐ
貿易もあった程
今じゃ
どうかしら?
私に両親は
居ない
城は壊滅
城下町も
竜も居ませんよ
塔の一角が
我が国の
残された砦
国力?
無い無い笑
「国が滅んだのに王だけ」
なんて言ってる人
生きてたら
‥何なの?
私、それでも
生きてる
使いの人は
何人か
いるけど
言葉は悪いけど
‥年ね
今じゃ剣も
振れないわよ
トイ爺は
トイ爺
「姫君!どちらへ⁈」
カナ
「跡取り探すわ」
トイ
「当てもなくですか⁈」
カナ
「跡取り言ってた人が
今更何を言うの?」
トイ
「右も左も分からぬ
姫君が彷徨って居ては
危険です‼︎」
「国を放棄する覚悟でも」
カナ
「国は滅んだわ」
「私が要でしょ?」
トイ
「ぬぬ‥」
「ならば他の者と
協議しましょう」
カナ
「‥分かりました」
幼い頃は
追いつけた
足取りも
これじゃ‥
時の流れか
ん?
嗚呼
こっちの話
トイ
「で、あるからにして」
カナ
「 」
「もう良い、やっぱり
私一人で跡取り探す」
トイ
「ひ、姫君⁈」
カナ
「小一時間議論して
まだ答え出せないの?」
トイ
「 」
カナ
「じゃあ私がはっきり
言うわ」
テーブルを
バンと叩き
組んだ足を
解いて立ち上がる
分かってる
育ての親
家族そのもの
そんな関係の
彼ら相手に
食って
かかるものか
カナ
「全員、私と来て」
トイ
「姫君‥」
カナ
「みんな年の問題も
あるでしょうけど
私の未来の問題
でもあるの」
「一緒に来て」
年のせい
なのか
全員涙ぐみ
立派になられて
とか
感慨受けたとか
もう‥
その時
「姫君‼︎」
カナ
「どうしたの?」
え?
何?
遠方から
大型船が
来る‥?
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