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Ragura Floating World26


エノクです!

来た!

世界樹!

おっきい〜‼︎
凄い‼︎
みなぎって来た‼︎

マヤ
「凄いルーンの回復‥
あっと言う間に全快ね」
エノク
「ん‼︎ママありがとう‼︎」


ありったけの感謝で
ママに抱きついた

エノク
「これなら、
私のやりたい事が
此処で出来る‥」
マヤ
「まさか‥創造⁈」
エノク
「ん、イメージ‥」

イメージ‥
目を閉じて
無我夢中に
なって想像する

どんな形か
式にする前に
決める

僅か数十秒での



組み合わせ

造形

空間

人生で初めての
私だけの創造

水平に腕を伸ばす。

座標は水平に

異なる大きさの
リングを一つ一つ
繋ぐ様に
組み合わせた

そんなイメージが
想像出来る

円錐形
それも釘の様に
先端は鋭利に

エノク
「ママ、一つ聞いて良い?」
マヤ
「何?」
エノク
「式って早い程成功率
高いんだよね?」
マヤ
「もちろんよ」
エノク
「見てて」

開眼

水平に腕を払い
指先から複数の式を
イメージ通りに
一斉に展開し

唱えた


エノク
「聖釘‼︎」

マヤ
「‥せ、聖釘⁈」

見る見るうちに
組み上がる純白な
形態が具現化されて行く

感慨深い刺激が
私の心を包む

全身が
鳥肌が立つ

マヤ
「聖釘って‥身を
削って創造したって
言うの⁈」



エノク
「凄い‼︎」

確かに
両手を広げる癖も

式にこだわった
信念も

この為に
あったとしたら

私はまだ続ける

調子に乗って次々と
さっきの感覚を
忘れる前に

聖釘を創造した
何度も‥何度も‥
創造の限りを尽くし
現れたその総数

12本‥

私の目の前にズラリと
並べられた円錐形の
純白な釘、聖釘。

これが、私の
作りたかったもの

何故生み出したかは
分からない

何の為か
どう使うのか

エノク
「けどねママ‥まだ
使い方が分からないの」
マヤ
「充分よこんな‥
先端が鋭利な凶器」
「兵器そのものだわ‥‼︎」
エノク
「 」
「‥ごめんなさい」




ママは言い過ぎた
事に気付くと
慌てて口を塞ぐ

向けられた
ベクトルは私の心に
グサリと刺さった

マヤ
「どうするのコレ」
エノク
「‥‥」
「いい。隠す」

それ以上何も言わず
端末を取り出して
ベクターBOXに格納させた

低い声が響く

「セリャド」

聖釘は全て格納され
姿を消した

俯いたまま
来た道を戻る

ママをビックリ
させたかった

初めて聞いた

ママの低い声‥
あんな事を
言われるとは
思っても
いなかったから

マヤ
「はっ!エノク⁈」

ママが叫ぶ

俯いた私の視界でも
目の前の影が
立ちはだかるのが
分かった

見上げた私は目を見開く


エノク
「 」

言葉を失った

影は引い声で

殺意のベクトルを
私に向け話す

「その髪、貴様が創造主か」
「来てもらうぞ」



知らない
巨体

生気の無い

恐ろしいまでの
形相

禍々しく伸びた角

それは

私のマッチ棒の様な
小さな右腕を
掴み上げ
持ち上げた

嫌な音が聞こえた

腕に痛みと
苦しみが
集中し

私は泣いて
もがき叫んだ


‥誰⁈

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