Voice小説7

アルゴリズム伝記

全ての
裏側

大司教

ようやく
語る

---

私は

世界を
調和へと
変えるべく

異端審問を
結成した

全ては
異端民族を
バムイ族の
同胞として
まとめる為

私を含め
精鋭の
バムイ族と共に
救済へと
導く為

互いの血を
集め

循環
培養した

それぞれの
救済に向ける
生き血
これが

「聖杯」

だが

集団
アルゴリズムの
前で
世界の調和を
実現するは
難しい

結成された
異端審問の
誕生は

宗教へと
捻じ曲げられる

不死の力
栄光
選ばれし者

世界へと
知れ渡り

異端審問からの
要請と誤認
された
人類は

後の
魔女狩りが
世界中で
執行され

多くの
血を流す
悲劇へと
変わる

だが
調和の為
結成された
組織を解体
する訳には
いかない

世界を飛び
異端民族に
説得を
試みる

だが
返って来た
返答は

拒否

バムイ族は
逆賊
狂人の
非難を浴びた
異端審問を
恐れ

組織は
汚名を着せられ
私は
指揮権を失い
内乱が始まる

集めた聖杯は
失われ

狂人へと走る
選択を
余儀なく

同胞を
抹殺した

手を捥がれ
足を失い
死闘の末
生き残る

全ての血を集め
聖杯を
復活させた

ただ一人
軍師の女

ベアルーヌは
半死半生で
拘束し
奪った

僅かな
隙を見た
失踪

あれから
独自の
異端審問を
結成

かつての
王族に
時間結晶を
操る
異端民族が
存在する
情報を掴む

私にかせられた
十字架と
贖罪と共に

ベアルーヌの
娘は17歳

初の対面を
悟られる
訳にはいかない

狂人を
装い

頭部を
粉砕

立ちはだかる
ベアルーヌとの
再開

私の死となるか

聖者と
狂人は
紙一重だ

私の
死となった
二人の者

ルーンは
尽きた

これで
終焉

だが
娘は
違った

自ら
十字架を
背負い

調和を実現
したのか

2隻の
十字架と
花束を
抱え

私の死と共に
手向に
現れた

これでは
悔いが残る
ではないか

願わくば

再び
生まれ来て
贖罪を
果たしたいものだ