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Ragura Floating World63


はい
エノクです

古代図書館で
端末を使った
スキャニング

綺麗な青い
サークルに
かざして本を
調べてくれる

該当する検索
キーワードが
一致すれば端末が
教えて
くれるみたい



サークルの範囲は
三段くらい
まとめて調べる
事が出来る為
四階ビルに
匹敵する本棚でも
サークルで
スキャニング可能

エノク
「ここでも無い」
「簡単には見つからないわ」


端末は反応しない
曽祖父が私に
見せたかったもの

私は無意識に
思わぬ答えを
返してしまった

「また見せてね‥」

エノク
「あれで良かったの
かしら」



曽祖ハハは
あれで良いと
言っていた

小さい頃
ロカお姉ちゃんと
古代湖に連れて
行ってくれた時も
そうだった

アンドロイドの
テツオの言葉

「貴女が覚えていなくても、
私達は貴女を覚えて
いらっしゃるのですよ」

ロカお姉ちゃんは
私を泣いて
抱きしめてくれた

私を包む
愛の言葉

忘れては
いけない筈
もし思い出せたなら


端末から着信

スク
「あった」
エノク
「えっ⁈」
「何処⁈」
ネグロ
「おお!存在したね」

私は自分の列の
本棚から出る
おじさんも
本棚から出る

スクのいる
本棚の列を探し
見つけたスクの
姿に私達が
驚愕した

ネグロ
「き‥君は一体⁈」
エノク
「凄い」
スク
「この文字では僕は
読めないね」

スクは四階ビル程の
高さに並ぶ本を
一冊抜き取る

スクのズボンの
裾から伸びる
赤い血管が
スルスルと体内に
格納されて
降りて来た

エノク
「スク、ありがと!」
スク
「お、思ったより早く
見つかったね///」

おじさんも
嬉しそうにうんうん
相槌を打つ


スク
「けどこんなに
沢山の本を‥」
ネグロ
「創世記からの
記述が記されている」
スク
「それって神話から‥?」
エノク
「ん、解読するまで
大変だったのよ」
ネグロ
「その本は持って
行くと良い」
「此処は閉めるよ」
エノク
「はい!」
スク
「うわぁ‥」


スクは関心を
示す様に
本棚を眺めた

おじさんは
この後奥さんの
お店の手伝いに
戻ると言って
駅で別れました


無理言っちゃったかな?

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