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mystery gem最終話

玉座の間

真っ赤な絨毯を
バージンロードに
見立てて

ビリーさんと
ジェシカさんが
殿下の前に立ち

祝福の
言葉を
受けた

殿下
「家庭を裏切ったら
三代祟ると思え」
「誓うか?」


ビリー
「‥は、はい」
「誓います?」


ジェシカ
「笑」

みんなで笑う

私は
トマリと
手を繋ぎ

二人を
見送った



いつかまた
会える約束を
交わして

ジャズさんは
その後
殿下直轄の
諜報員として
派遣される

プラントの
他国介入
防止の為に
定期的に

森の様子を
見に行く
事が増えた

私とトマリ
シーラも
その機会の
合間に
森に戻る

なのに
また
浮いてて
ビックリしたわ‥



大型船は
既に完成
されてて



テツオと
イドさんが
出迎えて
くれた




準備が
整った
筈の私達
だけど

トイ達の元に
戻ったのは

それから
更に
数年後の事‥

こっちも
色々あったの




トイ
「 」
じいじ
「待っても往来は来んぞ」
トイ
「それでもだ」
じいじ
「久々に剣を
振るったと思えば」
「屋上で待ち惚けか」
トイ
「姫君が居ない
この1年間」
「まだまだこの老耄」


‥?

老眼を擦る

船?

トイ
「遠方から船が来る!」


じいじ
「戻って来た⁈」
「真っ直ぐこちらに
向かって来るぞ!」
トイ
「大きい!」
「一年ぶりだ!」

大型船の
船腹に伸びる
階段が下がり
塔の直上に静止
着岸する

下部の
ハッチが
開くと
次々に
ロボットが
投下される

トイ
「ななな⁈何じゃこれは⁈」


じいじ
「‥はて、このロボット
何もせんぞ?」
「誰じゃあの若いのは?」

青年
「うわー!駄目じゃ無いか」
「安全を確保してから
解放しないと!」

若い青年が叫ぶ

若い女性

伸びた髪が
風に靡いた

「ごめんなさ〜い!」

青年が
トイ達に
向き直る

「初めまして!カナの
紹介で来ました」
「トマリです!」


トイ
「若いの、今
姫君の名を‥」


トマリ
「随分と帰還が
長引いてしまって」

若い女性が
階段から
降りて来る

女性
「トマリさん
この人達が?」
「初めまして!
カナさんの友人
シーラです!」


トイ
「何と‥!?」

扉を
ドンドコ
叩く音

開くと
小さな子供が
三人飛び出して来た

そして

後ろから
ゆっくりと
降りる
母親

「塔〜!」
「ママの塔〜!」
「ママ、今日から
此処で暮らすの⁈」

カナ
「そう。みんなの国よ」



トイ
「 」
じいじ
「姫君‥⁈」

カナ
「ただいま」
「ほら、自己紹介」

「イーノ!お姉ちゃん!」


「ロカ!妹」



ロカ
「あ、こっち
にい!」

「カズです」


トイ
「姫君の‥?」
「して、其方‥」
トマリ
「はい、夫のトマリです笑」


トイ
「殿方‥⁈」

姫君は
お腹を摩る

もしや

トイ
「トマリ殿、まさか」
トマリ
「笑」
トイ
「よ、四人目⁈」
「僅か一年足らずで
こんな⁈」
トマリ
「⁈カナ、こっちの
時間とズレてたね」
カナ
「良いじゃない?」
「アルゴリズムよ」



トマリ
「決まってるん
だっけ、お腹の名前‥?」
カナ
「もちろんよ、トマリ」


エノク



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