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蒼穹のフリューゲル53


古代図書館

ビル4階分の
吹き抜けに

そこに
聳え立つ
本棚

書物が
埋め尽くす

誰もが
圧倒された


マナ
「 」
「この中から⁈どんだけ
魔導書あんのよ⁈」


ネグロ
「あああ‥調べきれないよ」
「届かないじゃないか」


ネネ
「人類史を埋めるレシピが
この中に‥」


ビオラ
「嗚呼、こりゃたまげたわ」

ゼンキ
「お前ら‥素直に凄えだろ⁈」
エノク
「この中の一冊に解読書が?」
フリュ
『適当に当ててください』
エノク
「 」

ちょっと
待て

フリュに
視線が
集まる

フリュ
『創造主たる者、ルーツの根源は
最も引き合うものです』
エノク
「‥なるほど。世界の命運を握る
とは言え、ね」


確かに

集中する

考えも
雑念も

一切
必要無い

一番
惹かれる
書物の
一冊を
巡り

探し出す

他に
手段は無い

歩き出す

エノク
「凄いわ。色々遡ってる感じ‥
あちこちムラがあるのを感じる」
「落とし穴的な」


エイマ
「それらは全て呪いの書物です」
「気をつけて下さい」
フリュ
『フリュも見てます』

知識も
情報も
無駄

ムラとなって
充満する

しばらく
歩き回る

上を見上げ
視線を移す


みんなは
私を
不思議そうに
見る

マナ
「創造主‥?」


ネグロ
「どう言う事だろう」
ゼンキ
「知らね」
「解読書が無いんじゃ
調べ様もねぇんだろ⁈」
エイマ
「表向きではそうですが、此処では
人類の知識も叡智も通用しない様です」
ネネ
「あ、エノクが居ない」

ネグロ
「探そう。何処行ったんだろう」



歩く
筈が

その
足取りが
早まる

奥へと
向かう

辿り着きたい
要求が強まる

その奥

手の
届かない
ところ

血管で
足場を
固めて
ビル4階分

最上部の
本棚に向かい
一気に
伸ばす

呪いの
書物で
埋め尽くす

集中



間に
囲まれた
一冊に
目を向け
掴む

適当とは言え

直感で
手を出し
捉えた

エノク
「これ‥かしら?」
フリュ
『どんな感じですか?』
エノク
「自分を‥鏡で見る感じ」
「良いの?こんな易々と」
フリュ
『では、引っこ抜くと良い
でしょう』
『解読書がお姉さんの全て
ですから』

血管を格納
スルスルと
降下

みんなが
心配して
駆け寄る

ゼンキ
「早っ!それが解読書かよ⁈」
エノク
「どうかしら‥?まだ開いて
ないけど」
「不思議な気持ち」

エイマ学長に
許可を得て
開く

紙の
質感の
様だけど

何か違う

最初の
ページから

エノク
「凄い羅列だわ」
「 」

読もうとすると
ごっちゃになる

思考の
フィルターでも
かかって
いるのだろうか

直感で
読み上げる

エノク
「ミュート」

エイマ
「 」

エノク
「エンゲ」
「此処から始まってる」

意味が
わからないが

イメージで
言えば
想像で
解釈する
感じ?


エノク
「式展開図回転方向反転正転逆転」
「 」

はい⁈

我に返り

みんなに
向き直ると
仰天していた

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