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Ragura Floating World68


エノクです

今までにない
絶望感

私の魔力腺が
これまでに無い
状態に循環を
失っている

聖釘の量産は
これでもう
出来なくなった
ルーンの循環
あってこその
私だけのスキル

魔法が使えたって
あの聖釘の数で
総力戦に対応
出来るだろうか

私の身体から
並々と
溢れる
ルーンの
使い道に
思い悩む

帰る間際

 送迎車を
依頼した車内



ママが私を
元気付けて
くれる

‥けど

マヤ
「どんな魔法
覚えたい?」
エノク
「 」
「私が聖釘を創造した時
ママはどんな反応だった?」

ママがハッとする

マヤ
「エノク‥」
エノク
「世界を救った代償が
これなんて‥」


ママの横で
涙が溢れた

次は
守りきれる
だろうか

その日
私の気持ちは
変わらないまま
終わった




翌朝


気落ちした
まま起きる

スクからの
連絡があった

心配して
くれたのに
端末に
気にも
止めなかった

机の上には
解読書

何て話そうと
思いながら
リダイヤル

スク
「エノク、何か
あったの?」
エノク
「ん‥」

隠しようも無く
魔力腺の状況を
スクに話す

スク
「元気無い
声だから
心配したよ」
エノク
「身体も動かせ
なかったの」
スク
「大変だったね」
エノク
「次の強襲に対応
出来ないわ」
「これじゃ‥」
スク
「どんな状態なの?」
エノク
「魔法は使えそうだけど
聖釘は量産出来ないわ」
「式で囲んだり
デリートも出来ないの」

そう

今までの様に
循環出来る
魔力腺では無く
ルーンは間違い無く
消費する

足掻いて
式をコントロール
しようとした
式のシミュレート
けど上手くいかず

スク
「‥出来なかったんだね」
エノク
「どうしよう、私」
スク
「 」

初めての弱音

こんな時しか
泣き言を
言えない自分

スクは
考えているのか
しばらく沈黙する

そして私に
こう告げた

スク
「解読書だ」
エノク
「え?」
スク
「エノク、君の身体の変化」
「解読書で読めない項目」
エノク
「 」

私の
肉体的な変化
解読書の解読が
困難な部分が
ヒントに
ならないかと
スクは言う

スク
「エノクの変化が
最後の項目を解く鍵
だったとしたら」
エノク
「スク‥」

私はダメ元で
解読書を開く
付箋の部分から
読めなかった
ページを見る

スク
「どう?」
エノク
「 」


ドクン


何で

あんなに


読めなかったのに

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