
lost kingdom16
エノクです

国も
名前も無く
下界で
生きる
若い
成人男性の
王
初めて
視線を
私に向けた

王
「落ちて来たのが
君で良かった」
「君は不死の子?」
エノク
「ん。エノクです」
「バムイ族って言うの」

王
「バムイ族。初めて聞く」
「君に見せたいものがある
ウィット、彼女の足が
汚れてしまう」

アンドロイドの
ウィットが
再び私を
抱き上げる

エノク
「何を見せるの?」
王
「僕の家族」
エノク
「いるの?」
森を出ると
そこに
案内
されたのは
エノク
「 」
「お‥お墓⁈」
王
「僕で最後さ」
従者
大臣
先代国王
王妃含め
此処に
眠る
王
「アンドロイドの持つ
信念が二つに割れた」
「存続か、終焉か
どちらも優秀だ」
エノク
「‥止めないの?」
王
「生身で止める事が出来ない」
「此処にはプラントも無い」
エノク
「あ」

端末が
鳴る
私を
心配して
探し回っている
エノク
「帰らないと」
「貴方も来る?」
王
「 」
「良いのかい?」
エノク
「一人は寂しいから」
王
「 」
孤独の
彼を
連れ出そう
端末を手に
応答する
エノク
「もしもし。今、下界」

カナ
「エノク、無事⁈」
エノク
「大丈夫。王様と話
してたの」
トマリ
「王?下界の国王と⁈」

エノク
「FAPUSを出して」
「王も連れてく」

カナ
「今出すわ!トマリ!」
トマリ
「分かった。少し待ってて」
エノク
「ん」ピッ
「だって」
王
「ありがとう‥」
「上は今、どうなってる?」
エノク
「復興した」
「オウドリーフって名前」
王
「えっ?」
エノク
「来て」
「今度は私の家族に会って」

王
「嗚呼‥」

孤独を生きる
この人
旧オウドリーフの
皇帝を
思い出す

今度こそ
助け出す
私は
上空から来る
FAPUSの
到着を
待った
しばらく
経つと
上空から
白い機体が
見えて来た
エノク
「来た!」
王
「あれがFAPUS?」
これで
大人一人
改修出来る
此処まで
順調
後は
撤収
王
「礼を言いたい」
「ありがとう」
エノク
「まだ。あの子達止めないと」
王
「どう止める気だい?」
エノク
「パパとママに相談する」

丁度良い
機会だ
大国同士
理解も
必要
エノク
「家族以外にも
会ってほしい人
沢山いるの」
「ベルハルトの殿下と
エルドア王国の人」
王
「 」
下で
起きてる
戦争の
原因が
アンドロイド
同士だと
分かれば

直接王が
説明すれば
良い
FAPUSが
到着する

エノク
「みんなで解決する」
王
「ありがとうエノク」
エノク
「FAPUS、この人乗せて」
FAPUSが
裂開し
大人一人分の
スペースが
むき出しになる

王
「凄い‥スーツの様だ」
エノク
「乗って」
「この子私より早いの」

王
「抱えて行こう」
その時
多脚の
進軍する音

エノク
「 」
王
「作戦計画外に⁈」
エノク
「急いで!」
王は
FAPUSに
飛び乗り
裂開が
閉じた
後は無事
撤収
するだけ