アルゴリズム伝記94
FAPUSを
乗り捨てて
仲間達と
落ち合う
ジャッカが私を
抱きしめた
将軍が
残した
空中要塞の
もう一隻の
十字架は
こちらの
移民用として
使用する
これで
全て
片付いた
カナさんが
私に聞いてくる
カナ
「やり残した事って何?」
シーラ
「此処じゃないんです」
「ジャッカと二人で」
カナ
「そう‥帰るついで、ね」
シーラ
「はい」
街の
固有結界を
転移する
必要がある
結界術の
専門
リリオ
リリオ
「街そのものを
転移させるなら縛陣は
不用ね」
シーラ
「どう転移させるの?」
リリオ
「端末。誰が管理するの?」
シーラ
「カナさん、宜しく
お願いします」
カナ
「みんなの私物もあるから
当分は解放させるけど」
「そうね」
カナさんが
エルドアの
一件で
捕虜として
囚われていた
経緯を詳しく
聞いていたらしく
故郷の
ミカミ大国から
エルドアに
向ける
制裁を
危惧していた
リリオは
家系が
ミカミ大国の
棟梁の娘で
ある事を
事前に
知っていた
らしく
説得で
実父である
棟梁も理解を
得ていた様で
暫くは
落ち着きを
取り戻すまで
こちらに
同行すると
言う
私達は
十字架に
乗り込んで
炎上する
オウドリーフを
後にした
十字架2隻で
みんなを
乗せる
オウドリーフの
全ての人々と
共に上空へ
カナさんに
頼んで
目的地へと
進む
両手に
抱える程の
花束を
ジャッカと
二人きりで
用意した
私は
目的地まで
ジャッカに
詳細を
伝えないまま
そこへと
辿り着く
かつて
森の
プラントが
浮上した場所
そこに
永眠する
大司教の
元へ
驚いた
一面草原で
生い茂る
凱旋を前に
白いワンピースを着て
十字架を降りた
ジャッカと
二人きりの
筈が
エノクと
エトランゼも
はしゃいで
ついて来た
エノクが
ほっぺを
押さえ
変顔する
シーラ
「どこで覚えたの?」
エノク
「睨めっこ!」
シーラ
「あっぷっぷ?」
エノク
「wwwww」
エトランゼは
よく分からない
ままだけど
エノクにとって
マイブーム
私は
微笑み
そんな
無邪気な
エノクに
安堵した
花束を手に
ジャッカも
降りて来た
ジャッカ
「‥大司教の墓参りの
事だったんだね?」
シーラ
「うん、ありがとう
来てくれて」
ジャッカ
「何処‥だっけ?」
シーラ
「ねえ?一面草原になって」
エトランゼ
「風、気持ちいい」
シーラ
「来て良かった?」
エトランゼ
「うん」
エノク
「ん!」
ジャッカ
「シーラ、あそこ
じゃないかな?」
シーラ
「あ、あった!」
ママも
後から
来る筈
花を墓標に
手向ける
当時
あんなに
流れた
涙も
今なら
分かる
ジャッカ
「分かる‥って?」
シーラ
「彼が何者
だったのか」
「ジャッカは‥分かる?
あの時‥
涙が証明してるの」
少し
考えた
ジャッカ
みるみるうちに
血相が変わる
ジャッカ
「ま、まさか‥⁈」
シーラ
「私の‥パパ」
ジャッカ
「嘘だあ‼︎」
頭を抱え
うずくまる
私は
宥める
シーラ
「分かって」
「それでも私、貴方を」
ジャッカ
「仕方無かった!
他にどうすれば良かった⁈
僕は間違えたのか⁈
どうしたら」
シーラ
「愛して」
「私も」
ジャッカ
「 」
「いつから知った⁈」
向き直ると
ママが
立っていた
目を見開き
ママ
「教えた筈は」
シーラ
「分かるの」
「気のせいかも
しれないけど」
ママ
「 」
「気のせいでは無い」
ジャッカ
「 」
震える声
償いは
要らない
ジャッカを
抱きしめ
伝える
シーラ
「ずっと一緒にいて」
「愛してくれる?」
ママ
「私からも、頼む」
ジャッカが
震える声で
頷く
その光景を
エノクも
エトランゼも
見ていた
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