
lost kingdom22
何度も
交わした
会議も終わり
FAPUSの
実践導入により
アビスに
消えた
僕は
下界の王
アビスに
立つ

王
「あれ程の兵装。制圧も
時間の問題か‥」

「ん?」

一人
僕に
視線を
向ける
名前が
無い事を
告げると
少女は
にっこり
答えた

セイラ
「セイラです」
王
「ベアルーヌさんから
聞いたよ」
「初めまして、セイラ」

それにしても
大きな国だ
城も良く
出来てる
セイラ
「ずっと一人暮らし?」
王
「ずっとさ」
「みんな墓地」
セイラ
「 」
王
「そこへあの子が来た」
セイラ
「エノクね?」
王
「そう」
「あの子で良かった」
セイラ
「?」
大人
だったら
争いの
火種に
なってた筈
セイラ
「そう‥ね。大国が
揃ってたから」
王
「争いを伏せられた」
「他では真似出来ないよ」
セイラ
「‥エノクに会った?」
王
「いや。まだ」
攻防神の
伸ばした
ワイヤーに
自ら
突っ込んで
貫通したと


セイラの
説明に
絶句した

セイラ
「エノクは、自分の運命
賭けて行動するわ」
「だから囮になったの」

王
「 」
セイラ
「あの子にとっても
あの決断は簡単じゃないわ」
「カナさんが取り乱した程よ」
王
「 」

セイラです
王は
言葉を
失った
代わりに私
セイラ
「知らない世界に
二度も落ちる勇気」
「不死身の私でも無いわ」
王
「あの子に会えるかい?」

セイラ
「会えるわ」
「ねえ」
王
「?」
セイラ
「自分を名乗った事無いの?」
王
「いや、名乗るべきかい?」
私は
考える
王
「ポチなんて名乗れない」
セイラ
「エイドリッヒ‥」

王
「!」
「エイド‥何て良い
響きだ!ありがとう!」
思わず
彼が私の
手を握る
その咄嗟の
笑顔を見て
私は赤面した
