
lost kingdom20

まだ
続く筈の
痛み
苦しみが
麻酔の様に
眠りへと
変えてくれた
どれくらい
眠ったか
わからない
エノクです

エノク
「 」
嗚呼
まだ声は
出ない
声帯が
戻るのは
まだ先
けど
おかげで
だいぶ違う

臓器
器官の
修復が
一気に
進んだ
血塗れの
ベッドが
霧となって
本来の色へと
戻って行く
出血はこれで
止まる筈
エノク
「 」
トイレ
行きたい
行ったら
案の定
真っ赤だった
会議室
ベアルーヌだ

姫君が
推奨する
カナ
「FAPUSの下界導入を
提案します」

ベアルーヌ
「質量に差がある」
「改良を重ねるか?」
カナ
「武装に対戦車ライフルを
装備させましょう」

ベアルーヌ
「実弾貫通か」
「単発での命中精度が
問われるな」

トマリ
「現行で出来る兵装だね」
「地響きによる損害も
考えると最短で妥当の
装備だと思うよ」

フレディ
「量産するには時間が
かかるのでは?」

カナ
「旧オウドリーフで
乗り捨てられた
FAPUSを使いますから
兵装と自立化のみです」
「これなら最短で
無人で潜入出来ます」

国王
「うむ。異論はないな?」
殿下
「アンドロイドには
アンドロイドか。まさに
戦争にもならんな」
「決まりだ」

トマリ
「では、プラントに要請
しましょう」
此処からは
プラントも
迅速に
対応する
会議を終え
解散した
カナよ

足早に
エノクの
部屋へ
カズが
心配そうに
待っている
カズ
「ママ。どうするの?」

カナ
「FAPUSを導入するわ」
「こっちは大丈夫よ」

ドアを
ノックする
イーノと
ロカの声
え?
エノクの
声がする
イーノ
「ママ!会議お疲れ様!」

カナ
「エノク?起きてて
大丈夫なの?」
エノク
「ごめんなさい」
「トイレ真っ赤に
しちゃったの」

ロカ
「あちゃ〜」
「まだトイレから
霧になって戻ってる」

イーノ
「うえっ!やめてよ笑」
カナ
「回復が妙に速いわね‥」
「どうなってるの?」

カズ
「エトラ‥⁈ママ
エトラ来たよ!」
エトラ
「私が回復魔法かけたの」

カナ
「回復‥あなた
回復出来るの⁈」

エトラ
「もう大丈夫」

エノク
「エトラ‥ん!」
「ありがとうエトラ!」

エトラ
「良かった。元気そうで」

エノクが
笑顔を見せる
エトラも
笑顔が
戻る
エトラ
「心配で見てられなかった」
「頭真っ白になって
だから‥」

カナ
「気が動転してたのね」
「ありがとうエトラ
さあ、エノクを休ませて
あげないと」

エノク
「ん。まだ痛いの」
カナ
「ゆっくり休んで」
エノク
「はい‥ママ‥」

部屋を出る
ママ達
一人
ベッドで
横になる
すると
意識を
遮断する様に
睡魔が襲う

私は眠りに
ついた