小説語り
妻には
語る必要は
無いが
遥か昔
妻と
繋がってた
だから
運命の人
探して
探して
34年目にして
やっと
出会えた
創世記
いや
もっと昔か
逆算して
逆行
ルーツを
小説語りに
する奴は
そういない
ブリガンダインの
モデルとなる
私と妻
そして
博士の
物語
博士と
呼ぶには
理由がある
私と
妻の
ミリオンステージを
深く知る者
言うなれば
かつての
主治医
妻の式の
複雑さに
難儀する程
彼女は
複雑な
式を持つ
鉄壁の鎧
ブリガンダイン
全て
忘れ去られた後
集団アルゴリズムから
距離を取る為
助け出すも
喧嘩が
弱い私を
気遣い
突き放す事も
あった
切れた口で
歯を食い縛る‥
そうやって
彼女は
こう返す
だから
私は
決して
離さず
手を取り
走り出した
傷だらけの
妻と私
博士とは
生き別れ
先に行けと
私に構うなと
送り出す
安否は
不明
それでも
再び
会えると
信じていた
私は
イカロスの様な
人間だ
飛べないと
分かっていても
遠くを見る
今の私は
強いから
喧嘩を
しない
その強さで
調和する
あれから
結婚11年
記念日を
7番テーブルで
節目を祝う
ちなみに
此方の
攻防神に
強い思い
入れがある
それは
安否不明の
博士が
送り出した際に
差し向けた
攻防神が
再び
私と妻の前に
現れた
何処かで
先の
来世で
再開出来ると
希望が
持てたからだ
私は
この
物語を
完成させて
涙した