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The blue sky of the outlook43
最悪の初日を迎える。
アリサと寝るベッドから起きた私は引き出しからアレを出すと、生理痛の痛みに耐えながら、トイレに向かう。
アリサが私の変化に気付く。
起こしてしまった様だ。
アリサ
「お姉ちゃん、大丈夫?」
エノク
「んん‥」
本来なら、この痛みと苦しみに機嫌を損ね、アンタもこの辛さを自分で味わうのよって悪態を吐きたくなるだろう。
ママが私に教えてくれた事を思い出す。
「辛い痛みや苦しみほど、本当の優しさを探求する時なの」
なんて言ってた。
エノク
「‥アリサもトイレ?」
アリサ
「まだかかる?」
エノク
「も‥もう少し待って」
仕事、大丈夫かしら?
トイレから出ると、タケから連絡があった。
エイマも察したのか、心配してくれた。
エイマ
「お姉さん、アレですか?」
エノク
「はい‥」
「ドラッグストアは」
エイマ
「開店10時からです」
エノク
「‥よね」
お腹を押さえて私は制服に着替えた。
何で制服なんだろう?
眼鏡は不用だ。裸眼で部屋を後にした。
エントランスでタケと落ち合い、さっそく気付かれた。
タケ
「顔色悪いぞ?」
エノク
「ちょっとアレで‥」
タケ
「大丈夫なのか?」
正直辛い。
初日でこれだから。
エノク
「何とか」
タケ
「ショップは、まだだよなぁ」
エノク
「気遣いありがとう‥」
タケ
「い、いや///」
無言で天魔重工に着く。
朝っぱらからタケに気まずい思いをさせだけでなく、みんなに心配かけるとか。
入り口に巨大なトレーラーが見えて、ヤン社長とテツさんイチさんが出迎えてくれた。
ヤン
「テツ、制服姿だぞ‥」
テツ
「悪い兄貴。冗談で言ったw」
イチ
「良いね〜」
ヤン
「やれやれ‥エノク、事務所に来てくれや」
エノク
「?は、はい」
ヤン
「少し待ってろ」
テツ&イチ
「お、おう」
タケ
「?」
事務所に向かいながら社長が話す。
ヤン
「仲間には無理はさせねぇ。顔に出てるぞ」
エノク
「あ」
気付かれてた。
私はすぐ顔に出るんだ。
事務所に着いた。
エノク
「すみません」
ヤン
「フ、紹介する。レミィズだ」
レミィズ
「おや、まぁ。朝から酷い顔色だねぇ」
エノク
「あ‥」
ヤン
「頼む」
レミィズ
「はいよ」
エノク
「 」
レミィズさんは察したのか、棚から痛み止めの薬と水を入れたコップをを私にくれた。
私はグイッと飲み干す。
ふぅ‥
レミィズ
「女の子だからね、私も気遣れたもんさ」
エノク
「ありがとうございます」
レミィズ
「残りは飲まずとっときな。引きずる様な時にね」
エノク
「はい!」
心なしか気持ちが軽くなる。
こんな素敵な人もいたんだと。
レミィズ
「さ、行って来な」
エノク
「はい!行って来ます!」
背中を押されるように、私はみんなの所に戻る。
ヤン
「それで良い」
エノク
「はい!ありがとうございました!」
最初の仕事は‥トレーラーに積まれた巨大重機のロボットが横たわっていたし‥。
一体何処に行くんだろう?