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右手左手

腕の
無い


「蒼穹のフリューゲル」
エノク
「懐かしいわね」



「内包者のルーツを共有していたんだ」
「一生ものだと思ってた」
エノク
「不自由は無かった筈よ」
フリュ
「はえ」



「回復に時間かかっていた」
「何故かな」
エノク
「ん〜。それまで求めていなかったから?」

アリサ
「求めてなかったの⁈」


内包者なら
回復を
求めない
限り
止める事も
出来た

そう言う事か


「内包者だった頃の明晰夢を見た時は不自由無かったな」
エノク
「けど最終的に、ハグも出来ないでしょう?」
「あった方が良いわ」


アリサ
「うん。お姉ちゃんの手あったかいし」
フリュ
「貴方も手はあっついでしょう?」

仕事中
手は
真っ赤だ

昔の様に
身体に
支障をきたす
夢は
見なくなった


「実体は‥見る夢さえ、修正してしまう様だ」
エノク
「運命の力ね。前の会社の夢さえ見ないでしょう?」

そう言えば
確かに

思いは
流れた

時代は

確かに
変わっていた

ここで
カナも
会話に
介入した


「人生は、第二章に入っていた」
カナ
「ええ。胸を張って」

彼女達を
含めて

多重存在は

私の居心地の
良さを
共有している

今は
それで良い

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